令和7年度入学式
本日、静岡産業大学経営学部に251名、スポーツ科学部に118名、編入生19名、計388名の入学生をお迎えできますことは、静岡産業大学としまして大きな喜びであります。入学された皆様、そして、ご家族や関係者の皆様、ご入学おめでとうございます。静岡産業大学の教職員を代表して、皆さんのご入学を心よりお祝い申し上げます。
また、新年度のお忙しい中にも関わらず、ご来賓としてご臨席いただいています、藤枝市長北村正平様、磐田市長草地博昭様、磐田市商工会議所会頭鈴木裕司(ゆうじ)様、藤枝商工会議所会頭山田寿久(としひさ)様、静岡学園高等学校長鳴嶋吉彦様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席のもと、入学式を開催することができますことを、静岡産業大学を代表して、大変嬉しく思い感謝致します。
今日入学する皆さんは、高校生時代、前半は新型コロナウイルスの影響を受けながらも授業や勉強、運動や文化などの部活動、学校の行事、地域のボランティアなど学外の活動に取り組み、充実した日々を過ごしてきたことと思います。
皆さんは、今日から始まる静岡産業大学での学習や過ごし方に、「自分のまなびたい内容が学べるだろうか」「授業をする教員が自分に合うだろうか」「授業についていけるだろうか」「将来やりたいと思う仕事が見つかるだろうか」「友達ができるか」「部活やサークルが楽しめるだろうか」など多くの不安(期待といってもいいかもしれませんが)あると思います。静岡産業大学は、教員・職員と学生の距離が近い大学です。皆さんの不安が希望になるよう教員職員が全力で応援をします。
さて、皆さんは、今日から「学生」です。高校までの「生徒」と大きく異なるポイントは、学ぶことへの姿勢です。大学での授業は高校のように決まった教科書がありません。高校までの学びは、「誰もが認め、誰からも異論のでない事実」を書いた教科書に基づいて授業が行われます。
大学では、全国一律に用いられる教科書を用いた授業は行われません。大学で教えるカリキュラムは、大学が決めており、教員は、カリキュラムに応じ、教える内容は、教員が独自に組み立てたものです。教員は教育者であると同時に研究者でもあります。教員はそれぞれ専門を持っており、その分野では世界で最先端の研究をしています。大学の授業では、教員が研究している内容や独自の考え方や理論を学ぶことができます。これからの社会を作ることにつながる考え方を学ぶことができます。大学の授業の面白さ、興味深さはここにあります。講義に加え、教員や授業に出ている仲間とディスカッションをし、一緒になって考えることが、大学の授業の面白さです。教員から教えられることだけが「学び」ではありません。研究、論文の作成など、専門性をもって自ら調べ、考え、取りまとめ、人に伝えることが求められます。「学び」に自ら進んで取り組むことが求められます。皆さんは、大事な人生を設計図なしで、行き当たりばったりでうかうか暮らすわけにはいきません。自分独自の道を見つけて、自分の人生をデザインするために、一生懸命学ぶことが必要です。大学での4年間は、すべて自分の時間です。4年の間に、生涯の目的を決め、これを成し遂げようと志すように時間を使ってください。
静岡産業大学の授業科目数は、経営学部では約190科目、スポーツ科学部では、約180科目もあります。これらの授業を行う教員は140人もいます。大学の時間割は、自分で組み立てます。4年間で何を身に付けるかを自分で考え、学びたい授業を選択するとともに、教員とディスカッションを積極的にしてください。
さて、私たちは、環境や社会が大きく変化する中に生きています。その代表的な事例の一つが,生成AIの利用です。
チャットGPTなどの生成AIを使ったことのある方も多いと思います。チャットGPTが日経新聞朝刊に初めて取り上げられたのは、2年少し前の2022年12月25日でした。それ以降、AIに関する日経新聞の記事数は、これまでに約8000件、今年に入ってから一日当たり11件のAIの活用記事が掲載されています。企業の多くがAIを日常的に利用するようになっています。AIが、夜間や休日にも学生の質問に答え、成績データの分析や学習プラン作りのアドバイスするようになっています。スマホが普及するのに10年かかりましたが、AIは2年で多くの企業や大学で使われるようになりました。
時代の変化は加速度的に早くなっています。AIを学びのツールとして使いこなす知識や技術を習得することが大切ですが、AIのような新しい科学技術を、生活をよりよくするために、産業を振興するために、文化の創造ために、格差を小さくするために、どのように使うかを考え、実行していくかは皆さんに期待されています。
皆さんに期待されている難問はまだまだたくさんあります。
地球温暖化が引き起こす異常気象もその一つです。昨年の夏は異常に暑い日が続きました。最近では、森林火災が全国各地、世界各地で発生しています。地球温暖化の異常乾燥が原因とされています。私たちの活動が活発になるにつれて、二酸化炭素など温室効果ガスが大気中に放出され地球全体の平均気温が上がっています。私たちは一人当たり3900立米の二酸化炭素を出しています。50メートプール2杯分の量です。これまでも世界中の専門家が二酸化炭素削減の方法を考え、対応してきましたが、解決策は見出されていません。この問題解決も皆さん方に期待されています。地球規模の人口爆発、食料不足、経済格差、戦争や紛争など、世界の英知が集まって議論しても解決できていないリスクが数多くあります。解決の見通しが立たないリスクに対応する答えは、これからの社会の中心となる皆さんが作り出していかなければなりません。これからの時代には、若い発想力、行動力が必要とされています。皆さんが大学で学ぶ意味はここにあります。
静岡産業大学は、学びの特徴は実学教育です。実学教育は、社会の課題に関心を持ち、解決策を考え、社会に提案する力をつける教育です。これからの社会の難問解決に挑戦する実践型人材となるための学びです。一つの例として「冠講座」をあげることができます。「冠講座」は、今日ご来賓でお見えの磐田市、藤枝市、商工会議所に加え、静岡市、ジュビロ磐田、静岡ブルーレヴズ、静岡銀行、TOKAIグループ、中部電力、タニザワフーズ、藤枝ロータリークラブ、静岡県行政書士会、スズキ、ヤマハ発動機、浜松磐田信用金庫、静岡県庁のトップや職員が、経営の考え方や具体的な仕事のやり方、苦労したこと、成功した喜びなどを、学生に直接授業します。
また、海外研修も実学教育の一つです。教員と一緒に、海外の企業や地域、大学を訪問し、日本と違う社会や考え方に触れることができます。グローバル時代には、自分の目で海外の現状をみることがとても大切です。
3年生になるとゼミ研究、4年生には卒業研究に取り組みます。ゼミ研究・卒業研究は、変化の激しい社会に対応して、自分なりの「解決策」を考える授業です。皆さんが取り組みたい分野を専門とする教員と一緒に、ゼミ研究に取り組むことを楽しみにしてください。
このような授業の他、簿記やITパスポート、フィナンシャルプランニング技能士などの資格取得の支援、就職に役立つ公務員塾、ビジネス塾、会計塾なども開設しています。
また、静岡産業大学には、多くのクラブ・サークルがあります。クラブやサークルでは、先輩学生と一緒に運動や趣味活動に取り組むことで、学生生活がより豊かなものとなります。
毎年秋に開催される大学祭は、学生の自主的な組織である「学友会」が中心になって、プログラムを作り、準備をし、運営をします。皆さんも学友会に入り、先輩たちと一緒にキャンパス生活を楽しいものとするよう活動してください。
静岡産業大学は、「豊かな教養、高潔な倫理観、人間愛、社会に対する広い貢献意識を持った職業人、社会のリーダーの育成に努める。」「21世紀の産業社会と国際社会が求める専門的職業教育を推進することに徹する」を理念としています。これからの社会が求める能力とはどんなものでしょうか。企業の経営者からは、「ペーパーテストの結果が必ずしも必ずしも採用後の能力と結びつかない」といった声をよく聞きます。優れた社員に共通する特徴は、①人の発言の真意を聞き取り、彼らの行動を予測できる能力、②人間関係における相互の立場を素早く理解する能力、③他者の価値を認める能力を挙げています。こうした行動を可能にする知識やスキル、態度、価値観特性の高い人を「コンピテンシー」が高いといいます。
知識をもとにして、相手を説得したり、新しい解決策を見出していくことが、これからの職業人、リーダーに求められます。講義を受け、学問を身に付けるとともに、教員や職員、友人、地域のリーダーたち積極的にコミュニケーションをとり、高い専門知識に加え、コンピテンシーの高い人材となることを期待します。
私たち教員、職員は、「4年間で皆さんそれぞれが自ら持っている力を伸ばし、夢や志の先に明るい未来像を描くことができるよう」応援をします。大学生活を楽しみ、個性を磨いて自分の進むべき道を見つけていただくことを願って、式辞と致します。
2025(令和7)年4月2日
静岡産業大学 学長 堀川知廣
また、新年度のお忙しい中にも関わらず、ご来賓としてご臨席いただいています、藤枝市長北村正平様、磐田市長草地博昭様、磐田市商工会議所会頭鈴木裕司(ゆうじ)様、藤枝商工会議所会頭山田寿久(としひさ)様、静岡学園高等学校長鳴嶋吉彦様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席のもと、入学式を開催することができますことを、静岡産業大学を代表して、大変嬉しく思い感謝致します。
今日入学する皆さんは、高校生時代、前半は新型コロナウイルスの影響を受けながらも授業や勉強、運動や文化などの部活動、学校の行事、地域のボランティアなど学外の活動に取り組み、充実した日々を過ごしてきたことと思います。
皆さんは、今日から始まる静岡産業大学での学習や過ごし方に、「自分のまなびたい内容が学べるだろうか」「授業をする教員が自分に合うだろうか」「授業についていけるだろうか」「将来やりたいと思う仕事が見つかるだろうか」「友達ができるか」「部活やサークルが楽しめるだろうか」など多くの不安(期待といってもいいかもしれませんが)あると思います。静岡産業大学は、教員・職員と学生の距離が近い大学です。皆さんの不安が希望になるよう教員職員が全力で応援をします。
さて、皆さんは、今日から「学生」です。高校までの「生徒」と大きく異なるポイントは、学ぶことへの姿勢です。大学での授業は高校のように決まった教科書がありません。高校までの学びは、「誰もが認め、誰からも異論のでない事実」を書いた教科書に基づいて授業が行われます。
大学では、全国一律に用いられる教科書を用いた授業は行われません。大学で教えるカリキュラムは、大学が決めており、教員は、カリキュラムに応じ、教える内容は、教員が独自に組み立てたものです。教員は教育者であると同時に研究者でもあります。教員はそれぞれ専門を持っており、その分野では世界で最先端の研究をしています。大学の授業では、教員が研究している内容や独自の考え方や理論を学ぶことができます。これからの社会を作ることにつながる考え方を学ぶことができます。大学の授業の面白さ、興味深さはここにあります。講義に加え、教員や授業に出ている仲間とディスカッションをし、一緒になって考えることが、大学の授業の面白さです。教員から教えられることだけが「学び」ではありません。研究、論文の作成など、専門性をもって自ら調べ、考え、取りまとめ、人に伝えることが求められます。「学び」に自ら進んで取り組むことが求められます。皆さんは、大事な人生を設計図なしで、行き当たりばったりでうかうか暮らすわけにはいきません。自分独自の道を見つけて、自分の人生をデザインするために、一生懸命学ぶことが必要です。大学での4年間は、すべて自分の時間です。4年の間に、生涯の目的を決め、これを成し遂げようと志すように時間を使ってください。
静岡産業大学の授業科目数は、経営学部では約190科目、スポーツ科学部では、約180科目もあります。これらの授業を行う教員は140人もいます。大学の時間割は、自分で組み立てます。4年間で何を身に付けるかを自分で考え、学びたい授業を選択するとともに、教員とディスカッションを積極的にしてください。
さて、私たちは、環境や社会が大きく変化する中に生きています。その代表的な事例の一つが,生成AIの利用です。
チャットGPTなどの生成AIを使ったことのある方も多いと思います。チャットGPTが日経新聞朝刊に初めて取り上げられたのは、2年少し前の2022年12月25日でした。それ以降、AIに関する日経新聞の記事数は、これまでに約8000件、今年に入ってから一日当たり11件のAIの活用記事が掲載されています。企業の多くがAIを日常的に利用するようになっています。AIが、夜間や休日にも学生の質問に答え、成績データの分析や学習プラン作りのアドバイスするようになっています。スマホが普及するのに10年かかりましたが、AIは2年で多くの企業や大学で使われるようになりました。
時代の変化は加速度的に早くなっています。AIを学びのツールとして使いこなす知識や技術を習得することが大切ですが、AIのような新しい科学技術を、生活をよりよくするために、産業を振興するために、文化の創造ために、格差を小さくするために、どのように使うかを考え、実行していくかは皆さんに期待されています。
皆さんに期待されている難問はまだまだたくさんあります。
地球温暖化が引き起こす異常気象もその一つです。昨年の夏は異常に暑い日が続きました。最近では、森林火災が全国各地、世界各地で発生しています。地球温暖化の異常乾燥が原因とされています。私たちの活動が活発になるにつれて、二酸化炭素など温室効果ガスが大気中に放出され地球全体の平均気温が上がっています。私たちは一人当たり3900立米の二酸化炭素を出しています。50メートプール2杯分の量です。これまでも世界中の専門家が二酸化炭素削減の方法を考え、対応してきましたが、解決策は見出されていません。この問題解決も皆さん方に期待されています。地球規模の人口爆発、食料不足、経済格差、戦争や紛争など、世界の英知が集まって議論しても解決できていないリスクが数多くあります。解決の見通しが立たないリスクに対応する答えは、これからの社会の中心となる皆さんが作り出していかなければなりません。これからの時代には、若い発想力、行動力が必要とされています。皆さんが大学で学ぶ意味はここにあります。
静岡産業大学は、学びの特徴は実学教育です。実学教育は、社会の課題に関心を持ち、解決策を考え、社会に提案する力をつける教育です。これからの社会の難問解決に挑戦する実践型人材となるための学びです。一つの例として「冠講座」をあげることができます。「冠講座」は、今日ご来賓でお見えの磐田市、藤枝市、商工会議所に加え、静岡市、ジュビロ磐田、静岡ブルーレヴズ、静岡銀行、TOKAIグループ、中部電力、タニザワフーズ、藤枝ロータリークラブ、静岡県行政書士会、スズキ、ヤマハ発動機、浜松磐田信用金庫、静岡県庁のトップや職員が、経営の考え方や具体的な仕事のやり方、苦労したこと、成功した喜びなどを、学生に直接授業します。
また、海外研修も実学教育の一つです。教員と一緒に、海外の企業や地域、大学を訪問し、日本と違う社会や考え方に触れることができます。グローバル時代には、自分の目で海外の現状をみることがとても大切です。
3年生になるとゼミ研究、4年生には卒業研究に取り組みます。ゼミ研究・卒業研究は、変化の激しい社会に対応して、自分なりの「解決策」を考える授業です。皆さんが取り組みたい分野を専門とする教員と一緒に、ゼミ研究に取り組むことを楽しみにしてください。
このような授業の他、簿記やITパスポート、フィナンシャルプランニング技能士などの資格取得の支援、就職に役立つ公務員塾、ビジネス塾、会計塾なども開設しています。
また、静岡産業大学には、多くのクラブ・サークルがあります。クラブやサークルでは、先輩学生と一緒に運動や趣味活動に取り組むことで、学生生活がより豊かなものとなります。
毎年秋に開催される大学祭は、学生の自主的な組織である「学友会」が中心になって、プログラムを作り、準備をし、運営をします。皆さんも学友会に入り、先輩たちと一緒にキャンパス生活を楽しいものとするよう活動してください。
静岡産業大学は、「豊かな教養、高潔な倫理観、人間愛、社会に対する広い貢献意識を持った職業人、社会のリーダーの育成に努める。」「21世紀の産業社会と国際社会が求める専門的職業教育を推進することに徹する」を理念としています。これからの社会が求める能力とはどんなものでしょうか。企業の経営者からは、「ペーパーテストの結果が必ずしも必ずしも採用後の能力と結びつかない」といった声をよく聞きます。優れた社員に共通する特徴は、①人の発言の真意を聞き取り、彼らの行動を予測できる能力、②人間関係における相互の立場を素早く理解する能力、③他者の価値を認める能力を挙げています。こうした行動を可能にする知識やスキル、態度、価値観特性の高い人を「コンピテンシー」が高いといいます。
知識をもとにして、相手を説得したり、新しい解決策を見出していくことが、これからの職業人、リーダーに求められます。講義を受け、学問を身に付けるとともに、教員や職員、友人、地域のリーダーたち積極的にコミュニケーションをとり、高い専門知識に加え、コンピテンシーの高い人材となることを期待します。
私たち教員、職員は、「4年間で皆さんそれぞれが自ら持っている力を伸ばし、夢や志の先に明るい未来像を描くことができるよう」応援をします。大学生活を楽しみ、個性を磨いて自分の進むべき道を見つけていただくことを願って、式辞と致します。
2025(令和7)年4月2日
静岡産業大学 学長 堀川知廣