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令和6年度入学式


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学長式辞

学長式辞

学長式辞2

 入学された皆様、そして、ご家族や関係者の皆様、ご入学おめでとうございます。
 今日入学する皆さんは高校生時代の大半をコロナ禍のもとで過ごし、不自由を強いられた世代です。しかし、皆さんには、予測不能な環境を様々な工夫で乗り切った対応力があるはずです。静岡産業大学では、昨年度から、授業、部やサークル活動、学内施設の利活用は「通常どおり」を基本として行うことにしています。これから始まる「学生生活」を充実したものにしてください。
 皆さんは、今日から「学生」です。高校までの「生徒」と大きく異なるポイントは、学ぶことへの姿勢です。中学や高校のように、先生から教えられることが学びの中心ではなく、「学生」は、研究、論文の作成など、深く専門性をもって自ら学ぶことが求められます。大学は、「学び」を「主体的」に行う場所です。「主体的」とは、他者や外部から強制されることなく、自分の意志や能力によって行動することです。「主体的な学び」は、自分の意見や思考を基に、自分で決定し、自分で行動に移すことであり、自分の行動や決定に対して、自分自身が責任を持つことを意味します。
 若者はどうして学ばなければならないのでしょうか。皆さんは、大事な人生を設計図なしで、行き当たりばったりで暮らすわけにはいきません。自分の持ち味を発揮し、世の中の役に立つという自分独自の道を見つけ、自分の人生をデザインするため、一生懸命学ぶことが必要です。  
 大学での4年間は、すべて自分の時間です。4年間の間に、生涯の目的を決め、これを成し遂げようと志すよう時間を使ってください。
 静岡産業大学の授業科目数は、経営学部とスポーツ科学部を合わせて約400もあります。大学の時間割は、自分で組み立てます。4年間で何を身に付けるかを自分で考え、学びたい授業を選択するとともに、さまざまな分野の専門家である教員とディスカッションを積極的にしてください。

 私たちは、環境や社会が大きく変化する中に生きています。これまでの経験をベースに、先を見通すことが難しい時代に生きています。地球温暖化が引き起こす異常気象もその一つです。昨年の日本の気象は、梅雨前線と台風による線状降水帯の大雨、夏の異常高温、世界に目を向けると、世界各地の高温と少雨、森林火災など、温暖化が原因とみられる異常気象が続いています。
 今年の元旦に発生した能登半島地震は、3か月たった現在でも、断水が続き、生活再建の支援が行われています。大規模地震の発生日時を予測することはできませんが、一旦発生すると、長期間、人々の暮らしを不自由にします。
 社会経済に目を向けると、日本では、少子化、労働力人口の急激な減少、世界では、人口爆発と食料不足に加えて、急速に進化するAIは、人知でコントロールできなくなるのではとの懸念もあります。戦争や紛争、経済の不安定化など、依然として大きなリスクが存在しています。これらのリスクに対応は、これから社会の中心となる皆さんにかかっています。  
 これからの地域や日本、世界を作っていく役割は、皆さんが担っていかなければなりません。このような時代には、若い発想力、行動力が必要とされます。皆さんが大学で学ぶ意味はここにあります。
 静岡産業大学は、21世紀の産業社会と国際社会が求める専門的職業教育を行い、豊かな教養、高潔な倫理感、社会に対する広い貢献意識を持った職業人、社会のリーダーを育成することを目的とした大学です。静岡産業大学の学びの特徴は実学教育です。本学の実学教育は、社会の課題に関心を持ち、解決策を考え、社会に提案する力をつける教育です。次の時代・地域社会を考え、自律的に行動し、これからの社会で活躍する実践型人材となるための学びです。
 実学教育の一例として「冠講座」を挙げることができます。「冠講座」は、磐田市、藤枝市、静岡市、静岡県庁、藤枝市商工会議所、ジュビロ磐田、静岡ブルーレヴズ、静岡銀行、浜松いわた信用金庫、電通東日本、スズキ、ヤマハ発動機、中部電力、TOKAIグループ、 タニザワフーズ、藤枝ロータリークラブ、静岡県行政書士会のトップや職員・社員が、経営の考え方や具体的な仕事のやり方、苦労したこと、成功した喜びなどを、学生に直接授業します。

 また、海外研修には1年生から参加できます。海外の企業や地域、大学を訪問し、日本と違う社会や考え方に触れることができます。グローバル時代には、自分の目で海外の現状をみることがとても大切です。
 3年生になるとゼミ研究、4年生には卒業研究に取り組みます。ゼミ研究・卒業研究は、変化の激しい社会に対応して、自分なりの「解決策」を考える授業です。専門分野の異なる約60人の専任教員がゼミ・卒業研究を担当します。皆さんが取り組みたい分野の先生と一緒に、ゼミ研究に取り組むことを楽しみにしてください。
 このように多様な授業の他、資格取得支援、就職支援のための講座、例えば、公務員講座、教員試験突破塾、就職塾、会計塾を開設しています。
 静岡産業大学には、多くのクラブ・サークルがあります。クラブやサークルでは、先輩学生と一緒に運動や趣味活動に取り組むことで、学生生活がより豊かなものとなります。毎年秋に開催される大学祭は、学生の自主的な組織である「学友会」が中心になって、プログラムを作り、準備をし、運営をします。皆さんも学友会に入り、先輩たちと一緒にキャンパス生活を楽しいものとするよう活動してください。
 県外や海外から、入学する学生の皆さんに、静岡県を少し紹介しておきましょう。静岡県は、工業が盛んで「ものづくり県」です。ピアノ、プラモデルの出荷額は日本一。日本で消費される茶の6割が静岡から出荷される茶の王国です。ミカンやワサビ、メロン、カツオ、サクラエビなどの農産物、海産物など食材の種類は439種類、日本一です。二つの世界遺産があります。日本の象徴でもある富士山、近代史のモニュメントとも言える韮山反射炉です。南アルプスエコパーク、伊豆ジオパークなど比類のない価値を持つ景観や文化遺産があります。このような産業・文化・自然に恵まれた中にある静岡産業大学で学ぶことは、日本を理解することにつながります。

 静岡産業大学は、「豊かな教養、高潔な倫理観、人間愛、社会に対する広い貢献意識を持った職業人、社会のリーダーの育成に努める。」「21世紀の産業社会と国際社会が求める専門的職業教育を推進することに徹する」を理念としています。高い教養と社会貢献意識を持った職業人、リーダーになるには自発的に勉強することが必要です。日本の大学生は勉強時間が少ないと言われています。講義を受けているだけでは勉強は十分ではありません。予習、復習をしっかり行い、学問を身に付けるように1年生から習慣づけましょう。
 今日から始まる大学での4年間には、多くの人との出会いがあります。新たな人との出会いに際して、私が大切にしている言葉があります。「一期一会」という言葉です。「一期一会」は茶道の精神を象徴するものであり、一服の茶を飲むための集まりであっても、その場の雰囲気や会話を大切にする心構えを表す言葉です。新たな出会いを、一生に一度だけの機会と考えて、誠意を尽くすという意味です。大学生活においても、人との出会いやその場の状況を大切にして、最善の努力を尽くすことが、よりよい人間関係を築くことにつながります。「一期一会」を実践することで、学生生活をより豊かに過ごすことができると思います。
 静岡産業大学は、1994年に設置され、開学30周年となりました。本年度は開学30周年の様々な記念行事を行います。皆さんは、この記念となる年に大学生活をスタートします。大学生には、十分な自由な時間もあります。時間はだれにも平等に与えられています。私たち教職員は、「4年間で皆さんそれぞれが自ら持っている力を伸ばし、夢や志の先に明るい未来像を描くことができるよう」応援をします。大学生活を楽しみ、個性を磨いて自分の進むべき道を見つけていただくことを願って、式辞と致します。

2024年(令和6年)4月8日
静岡産業大学 学長 堀川知廣 

入学式の様子

司会(左)経営学部 加藤進太朗さん
  (右)経営学部 奥村結子さん

国歌独唱(ソプラノ歌手 西尾舞衣子様)

会場

会場の様子

新入生宣誓(経営学部 鈴木麻朝さん)

来賓祝辞(磐田市副市長 内野昌美様)

来賓祝辞(藤枝市副市長 河野一行様)

在学生歓迎の辞(経営学部 長屋泉希さん)

卒業生からのメッセージ(㈱クリック代表取締役社長 大村智哉様)