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令和4年度卒業式


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学長式辞

静岡産業大学の経営学部、情報学部での学士課程を修了し、今日晴れて卒業式を迎えられる386名の皆さん、まことにおめでとうございます。静岡産業大学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。また今日まで、今日卒業する皆さん一人ひとりを、支え励ましてこられたご家族の皆様も、さぞやお喜びのことと思います。心からお祝いを申し上げます。

また、年度末のお忙しい中にもかかわらず、ご来賓としてご臨席いただいています、藤枝市長の代理で副市長 大畑直已様、磐田市長の代理で自治市民部長 鈴木賢司様、藤枝市商工会議所会頭の代理で専務理事 杉浦衛様、磐田市商工会議所 会頭の代理で専務理事 平谷均様をはじめ、多くのご来賓の方々のご臨席のもと、入学式を開催することができますことを、静岡産業大学を代表して、大変嬉しく思い感謝致します。

静岡産業大学は、1994年に開学し、1998年3月に第1回の卒業式を迎えて以来、卒業生の数は、今日卒業を迎える386名を加えて、これまでに約1万人になります。多くの先輩たちが、静岡県内や全国・世界で、社会の中心となって、活躍しています。

皆さんが静岡産業大学で学んだ4年間は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックという未曾有の厄災という、厳しい制約の中で学園生活を過ごさなければならないという経験をされてきました。

皆さんが2年生になろうとしていた2020年3月には流行が拡大、4月には緊急事態宣言が発令されました。このため、前期は、例年より1か月遅くして、連休明けからとして、オンラインで授業をすることになりました。学生の安全を確保するために、学外研修も実施できなくなり、大学への立ち入りも禁止せざるを得ませんでした。

後期も、実習や実技科目を除き、一般の講義科目は、オンラインで授業を行いました。2021年度に入ってもコロナの感染拡大は治まらず、履修者の多い授業はオンライで行い、履修者の少ない授業や演習科目などは、3密を避け、換気のために窓を開け、マスクを着用して対面で授業を行うようにしました。クラブ活動やサークル活動はもとより、友人たちとの日常的な楽しい語らいも十分にできない状況でした。

今年度に入り、コロナウイルスの性質も分かってきたことから、対策を十分とることにより、ほぼ通常通りの授業を行うことができるようになりました。キャンパスが学生たちでにぎわうようになりました。

長いコロナ禍は、社会のあり方や暮らし方も大きく変えました。私たちは、オンラインで、空間的・時間的な制約を受けることなく、授業を受け、先生や学友とつながり、議論をすることができることを経験し、日々のコミュニケーションにおいても、SNSなどを利用する場面が一段と大きくなったのではないかと思います。

人間は、新しい状況や環境に対する適応力の高い生き物です。皆さんは、コロナ禍により、これまの常識が激変し、新しい生活様式や価値観が登場する中で、学生生活をおくりました。その中で、先端デジタル機器や分散ネットワークの利点を活用した先端的な学習方法、仕事の仕方を、学生時代にマスターしたのではないでしょうか。DX化が進み、新しい生活様式が定着していく社会で、この4年間の学びや経験が必ず役に立つものと期待しています。

さて、時代は、コロナ禍による社会構造の変化に加え、これまで私たちが経験したことがないスピードで大きく動いています。日本では人口減少の急速な進展、世界に目を向ければ、知識社会・情報化社会、グローバル化の爆発的進展、地球の持続可能性を脅かす課題など、多くの課題があります。しかし、これらを解決して、明るく希望の持てる新たな社会を創っていくのは、皆さんが主役とならなければなりません。

よく話題に出る日本の人口減少のことから見てみましょう。日本の人口は2004年の1億2784万人をピークに減り続けています。毎年10万人づつ減っています。これからは減り方が大きくなり、皆さんが40歳になる2040年には1億728万人、現在より約1900万人減少すると推定されています。特に、若者が急激に減少します。

人口が減ると何が問題なのでしょうか?成り行きに任せ、何も適切な手を打たないと、国内需要が減り、経済規模が縮小し、労働力が不足し、日本の魅力が低下し、国際競争力が弱くなります。より豊かで安全な社会にしていくためには、生産性を向上させ、付加価値の高い製品やサービスを作り出していく必要があります。皆さん方の取組にかかっています。

社会経済の動きについても見てみましょう。皆さんが生まれた2000年の日本のGDP「国内総生産」は、527兆円で世界の14%を占めていました。現在2022年は、552兆円で少し増えましたが、世界の4.2%になってしまいました。一人当たりのGDPは、2000年は世界2位でしたが、2022年には30位になってしまいました。台湾に抜かれ、韓国とほぼ同水準です。

グローバル化はこれまでとは比べようもない規模スピードで進んでいます。IT、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど科学技術の進展のスピードは、各国が世界中の頭脳獲得にしのぎを削っています。グローバル化の進展は今後ますます加速することは間違いありません。

資源・エネルギー需要の増大は、環境問題にも大きく影響します。人口増加が続く発展途上国では経済成長が著しく、環境悪化がさらに進むと懸念されています。これらの課題は、これから21世紀を生きていく皆さんが主役となって解決していかなければなりません。

日本は、これまでも、大きな変革を求められる中を生き抜いてきました。今から150年ほど前の明治初期、日本は、近代教育制度を構築し、留学生の派遣、外国人技術者の招へいなどにより、高度人材の育成、新技術の導入を進め、近代国家に生まれ変わりました。

また、1945年、太平洋戦争に敗れ、国土は疲弊しました。我が国は、民主的文化国家建設のため、教育改革を行いました。学校体系を6・3・3・4制に改め、高等教育機関は、4年制大学を本体とした制度に変えました。高学歴化が進み、大学で学んだ若者たちが、高度経済成長のけん引役となりました。

この二つの大変革の過程をみると、日本が大きな発展を遂げた背景には ①人材を重視し、教育に資源を投入し、人材が能力を発揮するような環境を整えたこと、 ②教育を受けた者たち中心となり、優れた文物を柔軟に吸収し、日本の状況に合わせた改善を行ったことが、力になったとみることができます。

大きく社会が変化する時代に求められる人材は、「ありたい未来を構想」し、「自らの手で実現」するため、必要なスキルを自ら探して身につけることができる人材です。問題発見力、情報収集力、的確な決定力、革新性・客観性・柔軟性を持った人材です。

静岡産業大学の教育の理念には、「豊かな教養、高潔な倫理観、人間愛、社会に対する広い貢献意識を備えた職業人、社会のリーダーの育成に努める」とあります。

皆さんは、大学の4年間で、大学の理念に掲げた力を身につけてきたと思います。卒業後も、この力をさらに伸ばすため、多様な仕事を経験しながら、常に自分を磨いていくことが大切です。

さて、私が座右の銘にしている言葉を紹介します。それは「艱難汝を玉にす」という言葉です。「人は困難に直面し、苦労を乗り越えることによって、人格が磨かれ、立派な人物になるということ」「逆境は人を賢くする」という意味です。

「艱難汝を玉にす」は、私が中学校を卒業するとき、先生から頂きました。私がいつも好き好んで困難を見つけ乗り越えようとしていたわけではありませんが、仕事をしていく中で難しいことに直面したとき、この言葉を思い出し、安きに流される行動はやめようと思いました。良い結果が得られたことばかりではありませんでしたが、難しいほうを選んだ時のほうが得るものが大きかったと思います。

皆さんも、これから、多くの困難に直面すると思います。これまでに学んだこと、身につけたことを最大限活かして、問われた課題に対して自分で考え、解決策を創り、世に提案、提示するようにしてください。

最後に、皆さんには、若い時代に多くの経験を積んでもらいたいと思います。時間は皆に平等に与えられています。無駄に使うのも、有益なことに使うのも自由です。皆さんの進む道は、それぞれ異なりますが、自分と異なる価値観を持つ人の考え方を想像する繊細な感性をもって、自由なものの見方ができる社会人として、羽ばたいていかれることを、心から期待して、式辞といたします。

2023年(令和5年)3月14日
静岡産業大学 学長 堀川 知廣

卒業式の様子

開式の様子

司会(左)経営学部 坂口悠治さん
  (右)経営学部 小川綺心さん

国歌独唱(ソプラノ歌手 西尾舞衣子様)

学位記授与 
総代 学長賞 佐藤千秋さん

学部長賞
(左)成澤莉子さん(右)杉本涼さん 

特別賞(スミルナ パタンドゥングさん 谷川智也さん
陳立志さん 中林美南海さん 又吉健斗さん)

来賓祝辞(藤枝市副市長 大畑直已様)

来賓祝辞(磐田市自治市民部長 鈴木賢司様)

卒業生メッセージ
なでしこリーグ1部 静岡SSUボニータ所属
(左)髙橋美春さん(右)山田優衣さん

送辞 在学生代表(経営学部 近藤奈々世さん)

答辞 卒業生代表(馬場俊輔さん)

会場受付付近の様子