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「アスリートを支える裏方の主役、“スポーツアナリスト”」


 数年前に比べて、パソコンやスマートフォンなどの情報機器は著しく普及し、機能も劇的に向上しました。そのおかげで、私たちは写真や動画を手軽に撮影できるようになり、社会は様々なデータを活用するようになりました。そのような背景もあって、スポーツ現場でも情報機器やデータが活躍する時代になりました。「スポーツアナリスト」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。スポーツアナリストは、練習中や試合中のパフォーマンスデータを取得、分析し、選手やコーチにフィードバックする役割を担います。測定できるデータは様々で、例えばGPS装置では走行距離やスプリント回数を、ハートレイトモニターでは心拍数を測定できます。スタジアムの全方位に設置されたカメラで選手やボールの位置情報を追従(トラッキング)することもできます。これらのデータを分析し、オーバーワーク(動きすぎ)によるけがの防止を助言したり、試合の戦術に活用したりするのです。
こうした分析は、つい最近始まったことではありません。歴史をさかのぼると、1860年代の野球で、「統一された手法によるスコアリング」の重要性が指摘され、スコアを記録するためのテンプレート(スコアシート)が考案されました。さらに1880年代のテニスでは、サーブ、レシーブ、ラリーの回数およびその成否を細かく記録し、分析する方法が考案されました。今から140年も前に、手記でデータを収集し、分析していたとは驚きです。近年の日本では、バレーボール日本代表監督が、試合中にタブレット端末をもって指示を出していたことが記憶に新しいでしょうか。あの姿は当時話題となりましたが、監督のタブレットには、コート外にいるアナリストがリアルタイムで測定した選手のパフォーマンスデータが無線で送信されていたのです。
スポーツアナリストは、勝敗を分ける重要な役割といっても過言ではありません。もし、トップアスリートになる夢が断たれたとしても、アナリストとしてチームの一員となって戦うという選択肢があります。今、日本のスポーツアナリストの需要は拡大しています。優勝インタビューで、「アナリストのお陰で勝てました」と言われる日が来ることを夢見て、ツール開発やアナリティクスの研究を行っています。