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学会を通じて得た出会いと目標


 今年の7月、チェコのプラハで開催されたヨーロッパスポーツ科学学会(ECSS)に参加しました。ECSSは、スポーツ科学分野における世界最大規模の国際学会です。国際学会に参加すると、様々な出会いがあります。その出会いと、私の目標について、触れてみたいと思います。
 小説好きな方は、好みの作家の作品を追いかけることがあると思います。小説の表紙に作家名が大きく記載されているように、研究論文の1頁目には必ず執筆者の名前が記載されています。面白い論文に出会うと、その執筆者は他にどのような論文を発表しているのだろう、ということが気になり、どんどん読み進めていくことがあります。しかし、その面白い論文を発表している執筆者がどのような人物なのか、論文から窺い知ることはできません。学会に参加すると、名前しか知らなかった研究者の発表を聞くことができたり、意見交換をしたりすることができます。時には、(面識はないのに)私が執筆した論文を読んだよ、と声をかけてくれる人もいます。とても嬉しく感じる瞬間です。学会に参加すると、よきライバルであり、よき友人ともなる研究者と出会うことができます。残念?な(興味深い)のは、私の名前(リョウイチ)は発音しづらいようで、正しく呼んでもらえないことがある、エマというのは女性に多い名前なのか、男だったのか!と言われることがあることでしょうか。そのようなやりとりも、国際学会に参加しないと経験することができません。
 私が初めて参加した国際学会は、2012年にベルギーで開催されたECSSでした。そのときに座長(司会進行役)をしてくれた先生は海外で活躍されている有名な日本人研究者で、いつか研究をご一緒したいと強く思ったことを覚えています。その後、縁あって共同研究を始めることとなり、その研究が今回の発表に繋がりました。その先生からは、5年後にどういう自分でありたいか、イメージして日々を過ごすようにと指導をいただきました。今回発表した研究に着手したのが2017年ですので、偶然にも、先生にお会いしてから5年後に研究をご一緒したことになります。
 私が思い描く次の5年後の自分は、指導教員として学生の発表をドキドキワクワクしながら聞いている姿です。学生と一緒に研究を進め、その成果を学生が学会で、堂々と自信をもって発表する、それが今の目標です。幸いにも、本学に日本でもトップクラスの実験設備が導入され、様々な研究ができる環境が整ってきました。授業では、積極的に実験設備に触れてもらう機会を作っていますが、授業で扱う内容をもう少し丁寧に、少しだけ発展させれば、発表に足る研究に昇華させることができます。この記事に興味をもったあなたが本学でスポーツ科学に触れ、私と一緒に研究するような日が来たら、これほど嬉しいことはありません。