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授業案内「文学」


准教授 後藤隆浩 (イギリス文学)

 現在私は、「英語Ⅰ」「英語Ⅱ」のほかに「文学」という科目を担当しております。今回のリレーエッセイにおきましては、この「文学」の授業内容に関して考えていることを、いくつか述べてみたいと思います。

 経営学部のカリキュラムにおいて「文学」は、基礎教育科目における教養科目の選択科目の一つとして設定されております。いわゆる教養としての人文科学の基礎科目として位置付けられており、主に1、2年生が多く受講するであろうことを想定いたしております。

 半期で完結する講義を、前期と後期、年に2回行なっております。私にとってこの「文学」の授業は、英文学専攻者として今まで勉強してきた知識を直接使うことのできる貴重な機会であります。半期で完結という授業時間の制約の下で、受講者の皆さんが文学作品を読むことのおもしろさを経験することができるよう、親しみやすく読みやすいテキストを選択いたしております。

 現在テキストにはラフカディオ・ハーンの短編集『怪談』を使用しております。複数の作品のテキストを精読することにより、文学作品とは言語によって構築された芸術作品であるということを、受講者の皆さんに実感していただきたいと考えております。外国語のテキストを読解した方が、言語それ自体に意識を集中しやすいという利点があり、さらに翻訳の問題についても話題をふくらませることが可能となるでしょう。作品中に描かれている昔の日本の様子は、たいへんになつかしいものであり、現代社会を生きる私たちに感銘を与えてくれるものだと思います。

 作品の読みにおいては、作品構造の分析と読者の意識の把握を特に重視しております。作品中の歴史的、文化的要素に着目して、テキストの豊かさについて考えていきます。読者の読みによって文学作品のテキストは、解釈の可能性を更新していくということを、受講者の皆さんとともに確認していきたいと考えております。