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遠州の 雲海に乗り 大化けの腑(おおばけのふ)


学生部長 教授 佐藤 和美 (管理会計 原価計算)

 私の研究は管理会計を主たる領域とし、会計の視点から経営の在り方や組織の効果的管理の可能性を探る内容です。前回と同様、今日のエッセイは専門から離れ、全国の若者に向けて近頃思うことを綴ってみます。

 私の研究室は、磐田キャンパス1号館4階にあります。仕事の合間にふと窓の外を見やると、窓の80%を占める大きな空の、その空の遠くに、ホワイト・グレーの雲が1列に長く浮いているのです。研究室の窓は竜洋に向いているから、あれは遠州灘の上空に浮かぶ雲かもしれない。そんなことを思いながら、講義の準備や学生指導の仕事をしていると、学生たち一人一人の姿とあの雲が重なってくるではありませんか。おーい、こっちに来い。この雲に乗って、まだ見ぬ遠くを眺め、また、眼下の人々の動きを知るのだ。と言っている声が聞こえてくるような気がします。そこで一句。

遠州の 雲海に乗り 大化けの腑(おおばけのふ)

 社会が何であるか、社会が自分にとって相対的なものであり社会に果たす自分の役割が何であるかを考えることにより、人は社会と自分の位置関係を見極め、自分の進む道を見つけることができます。大学4年間に、学生たちは皆、進む道を模索し社会での自分の役割について迷いながら、自分に課せられた目下のタスクに懸命に取り組んでいます。

雪晴れて 未だおおばけ 渦中なり

 大学生活は辛いことばかりではありません。全力を投じることは、勝ち負けにかかわらず成果を生みます。その成果ゆえに大学生活が楽しく充実するのです。また、長い人生でその成果は自信に繋がるもの。そこで一句。

キャンパスに ダイヤモンドダスト おおばけの

 人は皆、自分の歩く速度を持っています。時には早く、ときには遅く。そして、冬を越えると土中の生き物が、草の芽・木の芽が顔を出すように、自分の春を必ず持っています。しかしながらそれは他の人と同じ時とは限らないし、同じパワーであるとも限らない。違うからこそ違う色を持つことができます。

ひらり舞う 大化けの背に 遅桜