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2025年度 海外研修 -タイ-


本海外研修は、単なる異文化体験に留まらず、不確実な環境の中で自ら判断し、行動し、他者と協働する力を育むことを目的として設計されました。学生が受動的な「体験者」ではなく、能動的な「実践者」として行動する場を意図的に組み込むことで、将来のキャリア形成や社会生活に直結する学びを重視しています。

2025年12月15日(月)~12月19日(金)の4泊5日の行程で、学生数9名と担当教員の経営学部 岩本教授、事務局職員1名の引率の下、タイにて「海外研修A」を開講しました。今回の研修では、日本の生活では体験できない非日常体験や異文化交流の中で、心から「楽しかった!」と感じつつ、将来のキャリア形成に活かせる視野を養うことを目的としました。

【参加学生内訳】
1年生:6名、3年生:2名、4年生:1名
(経営学部:9名)

全体研修

研修中は、担当教員が随所で問いかけや振り返りを行い、学生自身が気づきや判断を言語化する機会を設けました。

メークロン市場

線路脇に商店が立ち並ぶユニークな市場であり、列車の通過に合わせた市場の開閉を見学し、ローカルな買い物を体験しました。効率性や安全性を最優先する日本の鉄道環境とは異なる、「環境に合わせて柔軟に生きる」タイの人々の知恵を目の当たりにしました。

ダムヌンサドアク水上マーケット

文化保存と観光用に開発された水上マーケット。新鮮なフルーツやローカルフード等を山積みにした小舟が運河を所狭しと行き交い、景気のいい売り声が飛び交っていました。「言葉が通じない」という壁を前に、最初は戸惑っていた学生たちが、電卓や身振り手振りで値段交渉に挑戦。単なる買い物ではなく、他者と意思を通わせる喜びを体験し、受動的な観光から能動的な交流へと変化する様子が見て取れました。

アユタヤ遺跡群

ワットプラマハタート、ワットプラシーサンペット等のユネスコ世界遺産である遺跡を巡り、かつての王国の繁栄と、戦いによる破壊の歴史を学びました。日本の城郭文化が「修復・維持」を重んじるのに対し、欠損した仏像をありのままに受け入れ、祈りを捧げるタイの文化に、無常観と寛容さの違いを感じました。また、17世紀初頭のアユタヤには多くの日本人が住む「日本人町」がありました。その頭領として、数千人の日本人居留民をまとめ上げ、貿易の要として活躍したのが、静岡市出身とされている山田長政という人物だそうです。当時の日タイ交流を象徴する人物が静岡市出身であったことに驚かされました。夜間にはライトアップされた遺跡群を観賞し、感性を刺激される豊かな時間(ウェルビーイング)を共有しました。

エレファントキャンプ

像乗り体験、餌やり、密着しての写真撮影等を実施。象の背に揺られながら、その温かさや力強さを肌で感じました。タイにおいて象は神聖な存在であり、保護と観光の共生が図られていることを学びました。自然の一部として動物と関わる体験は、学生たちの緊張を解きほぐし、アニマル・セラピー的効果(ウェルビーイング)を感じられた機会となりました。

ナイトマーケット・屋台街

ガイヤーン、トムヤムクン、カオマンガイ等の、五感を刺激するタイ料理を堪能し、食文化を体験。学生たちは「水や氷の管理」「辛さの調整」「マナー」等、現地の食文化を尊重しつつ、生活様式に五感で順応しました。また、清潔で静かな日本の外食文化とは対照的な、混沌とした活気の中にこそある「生活のエネルギー」を感じることができました。

グループ別協力型フィールドワーク

学生たちは少人数グループに分かれ、Grab(自動車配車アプリ)、高架鉄道(BTS)、地下鉄(MRT)、水上バス、トゥクトゥク等の多様な移動手段を駆使してミッションを遂行。将来のキャリア設計として社会に出てからの海外出張をシミュレートし、学生自身が能動的に行動できる場面を多く設けました。現地の公共交通機関の利用における、路線図の読み取り、自動券売機の操作、ICカードの購入等、日本とのシステムの違いに戸惑いながらも、試行錯誤しながら様々な地を訪れ、共通の最終目的地を目指しました。

チュラロンコン大学

タイ最高峰の学府に潜入。キャンパス内に歴史的なタイ建築と最新の近代建築が共存する独特の景観は、日本の大学と比較すると違いが顕著でした。また、制服(白シャツに黒のスカート・スラックス)を着用する文化は、日本の自由な服装の大学生とは対照的であり、規律と誇りを感じさせる光景でした。学生たちは同世代の現地学生とのコミュニケーションを図り、学食体験等を通じて、豊かな食文化のみならず、学術的な環境や活気の差異を肌で感じました。

ワットパクナム

巨大な黄金大仏を含めた圧倒的なスケールの仏教美術を五感で体験。日本の禅的な「静」の美学に対し、タイの「動」と「色彩」の仏教文化を比較しつつ、宗教が生活に深く根付いている様子を目の当たりにし、異文化への敬意(リスペクト)を養いました。

GMMTV(芸能事務所)

タイの現代ポップカルチャーの最前線を訪問。パスポートを預けて事務所内に入場できるという日本とは異なるセキュリティ文化に驚きました。日本の厳格なオフィス環境とは異なる開放的な空気感やファンとの距離感に驚きつつ、「推し活文化」が日タイ共通であることを肌で感じ、グローバルな文化であることを学びました。また、運良く有名俳優とも遭遇できました。

ルンピニー公園

バンコクで最初に開園した面積約57.6ヘクタールの巨大な歴史的都市公園で、周辺には高層ビルが立ち並ぶ中に設けられている都会のオアシス的な公園です。緑豊かな園内には大きな池や30種類以上の野鳥が生息。そして、野生のオオトカゲが生息しており、自然と都市、人間と野生動物が共存する姿に、ウェルビーイングにおける「自然との共生」の重要性を学びました。

セントラルワールド・MBK・ターミナル21(大型商業施設)

巨大モールと路面店が混在する経済構造を観察しながら、タイコスメ等をはじめとするタイならではの逸品を探し求め、様々なスポットでショッピングに没頭しました。日本の商業施設とのスケール差を認識しつつ、接客スタイルの違いや、施設内の至る所にある「祈りの場(祠)」が共存するタイ特有の価値観に触れ、日本の商業施設が利便性と効率を重視するのに対し、タイは多機能型商業施設として、「交流・娯楽・信仰」が地続きで共存しているスポットであることを学びました。世界最大級の面積を誇り、その広大さと洗練された空間に圧倒されていた学生たちでしたが、日本でも馴染みのあるブランドとタイ独自のブランドが混在する様子を見て、経済のグローバル化を実感しました。

アイコンサイアム -チャオプラヤー川ナイトクルーズ-

アイコンサイアムは、バンコクのチャオプラヤー川沿いに位置する複合商業施設で、屋内水上マーケット「SOOKSIAM」やタイ初の高島屋、豪華な噴水ショー、高級ブランドの旗艦店が揃い、タイの伝統と現代的なラグジュアリーが融合した、バンコク観光のランドマークです。それぞれのミッションや複雑な交通移動を完遂し、最終目的地であるこちらに集結した学生たちは、目の前に広がるタイ最大の河川であるチャオプラヤー川でのナイトクルーズを全員で楽しみました。昼間の喧騒とは対照的な、ライトアップされたワットアルン(暁の寺)などの幻想的な風景を眺めながらのディナーは、学生たちにとって最大の「非日常」となりました。音楽と食事を楽しみながら、国籍を問わず他の乗客と共に笑顔で過ごす時間は、まさに「積極的に楽しむ」を体現していました。

研修当初は、言語や文化の違いに戸惑う様子も見られた学生たちでしたが、研修が進むにつれて、自ら考え行動する姿勢が顕著に見られるようになりました。不自由さや不安を「困難」ではなく「学びの機会」として捉え、楽しさへと転換できるようになったことは、本研修の大きな成果と言えます。今後も単なる海外訪問に留まらず、能動的な学びを追求するアクティブ・ラーニングを軸とした海外研修を推進してまいります。