森戸幸次名誉教授が「パグウォッシュ会議」世界大会にて議論
本学の森戸幸次名誉教授は、11月1日~5日、広島で開催された「パグウォッシュ会議」(※)の世界大会に専門家として招待され、ガザ戦争と中東和平の行方などについて、世界の学者・政府関係者らと議論を交わしました。
※「パグウォッシュ会議」は核兵器廃絶を目指す科学者らの国際組織であり、1995年にノーベル平和賞を受賞しました。今年はその世界大会が被爆80年の広島で開催され、世界約40ヶ国・地域から学者や政府関係者ら約300人が参加しました。同大会では、核軍縮や中東の安全保障、ガザ戦争と中東和平の行方などが議論され、活発な意見交換が行われました。
11月4日にはガザ戦争の特別セッションが設けられ、「ガザ戦争と中東和平の将来」と題する全体会議には、イスラエルからエフード・オルメルト元首相、パレスチナからナセル・アル・キドワ元自治政府外相・国連大使が参加しました。会場からは熱心な発言が相次ぎ、予定の2時間を超える3時間にわたり、イスラエルとパレスチナの対話と戦争・紛争の解決を探りました。
同大会は最終日の5日、「核兵器は二度と使用されてはならない」とする「広島宣言」を発表し、閉幕しました。
11月4日にはガザ戦争の特別セッションが設けられ、「ガザ戦争と中東和平の将来」と題する全体会議には、イスラエルからエフード・オルメルト元首相、パレスチナからナセル・アル・キドワ元自治政府外相・国連大使が参加しました。会場からは熱心な発言が相次ぎ、予定の2時間を超える3時間にわたり、イスラエルとパレスチナの対話と戦争・紛争の解決を探りました。
同大会は最終日の5日、「核兵器は二度と使用されてはならない」とする「広島宣言」を発表し、閉幕しました。
森戸名誉教授は同大会に専門家として招待されました。森戸名誉教授は日本人の研究者として事前にワーキングペーパー(討議資料)の提出を求められ、英語版、日本語版、アラビア語版でこれを準備しました。同資料は当日、参加者全員に配布されました。
国際会議は英語が公用語のため外国からの招待者の発言が多いですが、森戸名誉教授は2番目に発言を認められ、自らの配布資料に依拠しながら、フロアから約5分間にわたり、次のような質問を行いました。
(1)ハマスが引き起こした「10.7」は、パレスチナ人が長年希望し、希求してきた独立・主権・尊厳を備えた「西岸・ガザ国家」の樹立を近づけたのか、それとも逆に遠ざけたのか。
(Whether this 10.7 military campaign has brought Palestinians closer to realizing their long -cherished dream of STATEHOOD ?)
(2)今回のガザ戦争を触媒にして、政治解決を実現すべく、イスラエル人、パレスチナ人そして国際社会は、和平への道筋をどのようにチャートできるのか。
(How can Israelis ,Palestinians, and the international community chart a path to peace ,using the Gaza War as a catalyst for political settlement ?)
(3)イスラエルは、「2国家解決」を通して、真の意味でのパレスチナ人にとって十分条件である<独立、主権、尊厳>の3要素を満たすことが可能か。
(Is it possible for Israel to satisfy Palestinians with 3 ingredients of INDEPENDENCE ,SOVEREIGNTY, and DIGNITY ,not only prerequisite conditions but enough conditions ?)
(Whether this 10.7 military campaign has brought Palestinians closer to realizing their long -cherished dream of STATEHOOD ?)
(2)今回のガザ戦争を触媒にして、政治解決を実現すべく、イスラエル人、パレスチナ人そして国際社会は、和平への道筋をどのようにチャートできるのか。
(How can Israelis ,Palestinians, and the international community chart a path to peace ,using the Gaza War as a catalyst for political settlement ?)
(3)イスラエルは、「2国家解決」を通して、真の意味でのパレスチナ人にとって十分条件である<独立、主権、尊厳>の3要素を満たすことが可能か。
(Is it possible for Israel to satisfy Palestinians with 3 ingredients of INDEPENDENCE ,SOVEREIGNTY, and DIGNITY ,not only prerequisite conditions but enough conditions ?)
森戸名誉教授は世界大会後、自らの質問に対するオルメルト元首相の返答について、以下の感想を持ったと述べました。
森戸名誉教授のコメント
オルメルト元首相は持論の対話を通じた「2国家解決」の必要性を強調、2009年8月に自治政府のアッバス議長に提案し、事実上拒否された和平構想(別途、ワーキングペーパーで詳述)の説明に終始していました。私はハマスの「10.7」を受けて、中東和平の環境が今は遠ざかっているとの印象を強く感じました。オルメルト元首相はその後の報道陣との取材で「イスラエルは1年以内に総選挙がある。ネタニヤフ首相は去るべきだ。国民世論を高めていきたい」と語っていました。

会議後、気さくに話し合い、著書を交換し合うオルメルト氏(左)と森戸名誉教授(右)。オルメルト氏は現在80歳。2人は25年前に同氏がエルサレム市長の時以来の再会だった。
(写真は森戸名誉教授提供)

世界大会の様子(写真は森戸名誉教授提供)