計量経済学ゼミが公開研究発表会を開催-経済・統計分野の皆さまをお迎えして-
静岡産業大学経営学部・牧野ゼミナール(テーマ:統計を用いた経済分析)は9月10日(木)、静岡市産業交流センターにて公開研究発表会を行いました。牧野ゼミナールは毎年、この時期に研究発表会を開催し、4年生は卒業研究の中間成果を、3年生は卒業研究に向けた基礎分析の結果を発表します。
今年度は静岡経済研究所の皆さま、県や市の統計作成部局、産業振興部局の皆さまが多数、参加し、ゼミ生の各発表を聴講、数々の有益なコメントをくださいました。例えば、一年前、名古屋でのゼミ勉強会で発表した3年生の研究内容は、現在、4年生の卒業研究として以下のように進展しています。
今年度は静岡経済研究所の皆さま、県や市の統計作成部局、産業振興部局の皆さまが多数、参加し、ゼミ生の各発表を聴講、数々の有益なコメントをくださいました。例えば、一年前、名古屋でのゼミ勉強会で発表した3年生の研究内容は、現在、4年生の卒業研究として以下のように進展しています。
■演奏の楽しさを皆さんに-楽器の電子化が経済波及効果に及ぼす影響-
静岡県は楽器の生産が盛んです。楽器の演奏は今後、ますます重要視される余暇を充実させると思われますが、未経験者が楽器の演奏をマスターするには、多くの努力が必要です。そこで、いまは楽器をより電子化し、初心者が気軽に演奏できる製品も開発されています。楽器の電子化を進めた場合、その生産が各産業に及ぼす経済波及効果がどのように変化するのかを総務省「産業連関表」に基づき分析しました。

■円安は農業に意外に影響-円安が農産物価格にもたらす価格波及効果-
昨今、ドル建ての原油価格は高騰、それに円安が加わり、円建ての原油価格はより高騰しています。ガソリン、軽油、重油など石油製品は原油から生産されます。石油製品は農業とあまり関係がなさそうですが、それはトラクターの燃料や温室の温度維持などに多く用いられています。ここでは農林水産省「農林漁業及び関連産業を中心とした産業連関表」を用いて、円安が農産物価格に及ぼす影響を分析しました。

■石油危機、バブル、リーマン-売上高と経常利益の関係の時系列変化-
売上高と経常利益の関係は、時代とともに変化すると思われます。ここでは財務省「法人企業統計」を用いて、両者の関係を長期(1960~2024年度)に渡り、産業別に考察しました。その結果、①上記の期間は5つに大別されること、②バブル景気後の20年間は売上高が伸びても、経常利益は伸びにくい構造であったこと、③一方、2013年度以降、売上高と経常利益はより関連することなどを明らかにしました。

■ぶどうは一人勝ち?-果物への家計支出額、価格、数量の時系列変化-
山梨県は「フルーツ王国」(果物の生産が盛ん)です。本研究では、山梨県の主たる農産物のひとつ「ぶどう」への支出額を総務省「家計調査」に基づき、時系列分析しました。その結果、それは2011年を底とするV字を描いていること、さらにそれを価格と数量に要因分解すると、2011年以降、価格は上昇し、数量の減少もゆるやかになったことが分かりました。その背後には「シャインマスカット」が存在します。

参加者の皆さんは「この研究の農産物価格は店頭に並ぶまでの物流費を含むのか」など、各発表について、多くの有益なご質問・ご意見、アドバイスをくださいました。
ゼミ生は発表前、とても緊張していましたが、発表後、自分の研究を熱心に聞いていただいたことに心より感謝していました。ゼミ生は今回、いただいたアドバイスを活かし、今後、半年間で卒業研究を完成させ、社会に羽ばたきます。
ご多忙中のところ、研究発表会に参加し、数々の有益なコメントをくださった参加者の皆さまに改めてお礼申し上げます。
本学の「専門ゼミナール」では、各教員が自らの特徴を生かした様々な活動を行っています。各ゼミの教育・活動については「専門ゼミナール履修ガイド」をご覧ください。