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【岩本武範研究室・夏の学外活動②】 2030年のまちを学生が考える――「牧之原ヒルズプロジェクト」が始動


2026年夏、岩本研究室では、牧之原市の相良牧之原IC北側地区で進む新たなまちづくりを舞台に、「牧之原ヒルズプロジェクト」をスタートしました。

プロジェクトに参加するのは、経営学部の1年生から3年生までの学生25名と岩本武範教授の計26名。3年生を中心としながら、学年を越えた研究チームとして、2030年の再開発事業の完成を見据え、新しい地域拠点のあり方を考えていきます。

相良牧之原IC北側地区は、牧之原市の重点プロジェクトとして「広域交流拠点」の形成を目指す地域です。大型商業施設だけでなく、産業施設、住宅、公園、バスターミナルなどを含む複合的な土地利用が計画されており、相良牧之原ICや富士山静岡空港に近い立地を生かし、国内外との交流や新たな賑わいを生み出すことが期待されています。 また、市の整備構想では「国内外の人たちと交流し、『まきのはら』を発信、アピールするまちづくり」が掲げられています。

①2026年8月10日、牧之原市役所を訪問。学生たちは杉本基久雄市長や市の関係者と、プロジェクトの目的や今後のまちづくりについて意見を交わしました。


8月10日には、研究チームの学生たちが牧之原市役所を訪問しました。市から相良牧之原IC北側開発の経緯や今後の計画について説明を受けるとともに、杉本基久雄市長との意見交換を行い、今回のプロジェクトで何を考え、どのような成果を地域へ還元していくのかについて共通理解を深めました。

この取り組みは、8月16日付の静岡新聞でも「大型商業施設あり方調査へ 静岡産大生 地域と連動 集客考案」として紹介されました。

②牧之原市役所で研究への意気込みを伝える学生。実際に進む都市開発を題材として、学生自身の視点から地域の未来を考えます。


学生たちが考えるのは、「どんなショッピングモールがあれば人が集まるのか」だけではありません。

大型商業施設を核にしながら、その周辺の土地をどのように使うのか。既存の相良・榛原の市街地や沿岸部と新しい高台拠点をどう結ぶのか。地域住民だけでなく、富士山静岡空港を利用する国内外の来訪者にとってどのような場所が必要なのか。さらに、土地利用、都市計画、交通、防災、商業、マーケティング、多文化共生、関連する法制度まで、まちづくりを複数の視点から捉えていきます。

牧之原市の都市計画では、既存の沿岸部の市街地と内陸部の新たな広域交流拠点をつなぐ「富士山型ネットワーク構造」が将来像として示されています。 学生にとっては、教科書の中で別々に学ぶ知識を、一つの現実の地域を通してつなぎ合わせる機会になります。

いわば、「まちづくりそのものを、生きたパッケージ教材にする」取り組みです。

③市長や市関係者との意見交換を終えた研究チーム。1年生から3年生までが学年を越えてプロジェクトに参加しています。


さらに8月24日には、代表学生と岩本教授が清水町にある大型商業施設「サントムーン柿田川」を訪問しました。

ショッピングモールのリーシングなどを手掛ける株式会社シードの西島会長から、サントムーン柿田川の開発や運営、テナント構成、地域との関係づくりなどについて講話を受けました。

④8月24日、サントムーン柿田川を訪問。株式会社シードから、商業施設の開発・運営や地域に人を呼び込む考え方について学びました。


完成した商業施設を見るだけではなく、「なぜこの店がここにあるのか」「地域に長く支持される施設とは何か」「時代や顧客の変化に合わせ、施設をどのように変えていくのか」といった、運営側の視点から商業施設を考える機会となりました。
学生たちは今後、こうした学びを牧之原市での実践へとつなげていきます。
その一つとして予定しているのが、地域で開催されている「はらっこマルシェ」を活用したフィールドワークです。はらっこマルシェには、飲食、農産物、体験型ブース、高校生による販売など多様な出店が集まり、2026年度も継続的に開催されています。


ここでは、単にイベントを手伝うだけではなく、「どのようなお店に人が立ち寄るのか」「何が人を呼び、何が滞在につながるのか」「地域らしさはどこに表れるのか」「将来の商業施設にも残すべきものは何か」といった視点から、学生たちが観察し、考え、試していきます。

そして大切なのは、完成時点だけを考えるのではなく、持続しながら変化できるまちを考えることです。

2030年に施設が完成したときに「新しいものができた」で終わるのではなく、地域の人が使い続け、外から人が訪れ、新しい交流が生まれ、その時々の社会の変化にも対応できる場所にするには何が必要なのか。学生たちは今後、調査、フィールドワーク、企業・行政との対話などを重ねながら、自分たちなりの提案へとつなげていきます。

岩本研究室では、完成した社会を教材として学ぶだけでなく、「まだ答えのない社会」に学生自身が参加し、考え、提案することを重視しています。
2030年、現在の学生たちは社会人になっています。そのとき、自分たちが学生時代に考えたアイデアの一部が実際のまちの中に残っているかもしれません。

牧之原ヒルズプロジェクトは、学生たちにとって、まさにこれからつくられていく地域そのものを教室とする実践的な学びです。

今後も、生きた教材を用い、人と社会を輝かす教育を推進してまいります。