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【岩本武範研究室・夏の学外活動①】 「課題」ではなく「好き」から地域を考える――慶應義塾大学のワークショップに参加


2026年7月4日・5日の2日間、岩本ゼミの学生2名が、慶應義塾大学で開催されたSDMワークショップに参加しました。

今回のワークショップでは、学生だけでなく社会人など多様な参加者がグループをつくり、オンライン共同編集ツール「Miro」やAIを活用しながら、自分たちが「心から住みたいと思える地域」の姿を考えました。

①慶應義塾大学で行われたワークショップの様子。学生や社会人など、多様な参加者がグループに分かれて議論しました。


一般的な地域課題のワークショップでは、「地域にどのような問題があるか」「それをどう解決するか」という課題解決型のアプローチから始めることが少なくありません。一方、今回の特徴は、まず参加者一人ひとりの「好きなこと」「得意なこと」「苦手なこと」「どのように生きたいか」を起点にしたことです。

参加者はAIとの対話も利用しながら自分自身について掘り下げ、その内容をグループ内で共有しました。さらに、CVCA(顧客価値連鎖分析)の考え方を用いて、「自分のできることが、誰かのできないことをどう支えられるか」「自分の好きなことが、身近な誰かの困りごとにどうつながるか」を可視化していきました。

②共同編集ツール「Miro」を活用し、それぞれの「できること」「できないこと」や価値のつながりを可視化しました。


最終的には、メンバーそれぞれの価値観や強みの共通点を整理し、自分たちが暮らしたい地域の姿と言葉をつくり、他のグループとの発表・意見交換を行いました。

③世代や経験の異なる参加者との対話も今回の大きな特徴。互いの強みや価値観を共有しながら考えを深めました。


参加した原蒼平さんは、AIとの対話と他者との意見交換を通じて、自分自身では弱みだと思っていたことが、他者から見ると強みとして捉えられる経験をしたと振り返ります。

「自分では、広く浅く学んでいることを専門性がないと捉えていました。しかし、他の参加者から『幅広く学ぶことは強みであり、それらがつながったときに大きな力になる』と言っていただきました。今取り組んでいることに、自信を持って進んでいこうと思える機会になりました」

また、普段は「課題解決」から考えることが多いため、「好き」を起点として未来を構想する今回の方法にも新鮮さを感じたといいます。就職活動などでは一人で行いがちな自己分析についても、「他者を鏡にして自分を理解する」ことの意味を実感しました。

鈴木拓磨さんにとっても、異なる世代・経験を持つ参加者との対話は大きな学びになりました。

これまで社会人と一緒に活動する中で、「社会経験の豊富な人と同じような意見を出さなければならない」と考え、自分の意見に自信を持てないことがあったといいます。しかし今回、グループメンバーから「学生や若い人の素朴な意見を聞けることがうれしい」と言われたことで、自分自身の役割に気づきました。

鈴木さんは、「社会人と同じ立場に立とうと必死になるのではなく、大学生として、20年間生きてきたZ世代の一人として、自分だからこそ出せる意見を伝えることにも価値があると気づきました」と振り返りました。

④ワークの最後には、グループで見いだした価値や「こんな地域に住みたい」という構想を発表し、参加者同士で共有しました。


岩本研究室では、大学内で知識を学ぶだけでなく、企業、自治体、地域、国、他大学など多様な人々と実際に関わりながら、自分自身の考えを問い直し、社会の中で試してみることを重視しています。

今回の経験もまた、「正解を教えてもらう学び」ではなく、異なる経験を持つ人との対話を通して、自分には何ができるのか、自分はどのような社会をつくりたいのかを考える機会となりました。

この夏も、岩本研究室の学生たちは、大学の外へ飛び出し、さまざまな場所で実践的な学びに挑戦しています。今後もその活動をシリーズで紹介していきます。