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【官学連携】「政策連動型ウェルビーイング指標(磐田モデル)」を開発! ~政策の”しあわせ効果”を見える化~


静岡産業大学と磐田市は、共同研究による「政策連動型ウェルビーイング指標(磐田モデル)」の成果を発表する記者会見を、2025年11月4日に磐田市庁舎で開催しました。
会見の冒頭では、草地博昭磐田市長と本学の堀川知廣学長が、共同研究にいたる経緯や指標に込める想いを語り、本学の岩本武範教授が研究内容と現段階の進捗について報告しました。

研究概要

令和5年度から磐田市と本学が連携して、磐田市の政策が市民の幸福度に、どのように寄与しているのかを「見える化」するため、地域政策ベースのウェルビーイング指標を策定し、測定していく研究を進めてきました。
本研究は、デジタル庁が推進する「地域幸福度指標(LWC)」*1を参考にしつつ、地域特性を反映した政策連動型のモデルとして独自に発展させたものです。

*1)デジタル庁が設定した指標:地域幸福度指標(LWC)
LWCの詳細についてはこちら(https://well-being.digital.go.jp/dashboard/
※LWCの登場により、どのように政策とウェルビーイングを連動させていくべきか、という方法論が示唆されたことは、とても重要なポイントになりました。

草地磐田市長の挨拶

本学堀川学長の挨拶

報告の中で、本研究を進める際の検討材料にした社会的背景の説明や、各々の地方自治体が独自の政策に置換すれば活用できるモデルの特徴、そして、一人ひとり異なるウェルビーイングの各要素を分解した「しあわせバイタル」の紹介、最後に評価の仕組みなども説明されました。

また、報告会終了後は会見を取材しに来ていた各メディアの記者から、本研究に関する質問を受ける質疑応答の時間が設けられ、長時間にわたり、細かな説明を行いました。

●しあわせバイタル

ウェルビーイングを構成する各要素を、以下の11の領域に整理しました。
•日々の充実感
•他者への貢献感
•地域・社会とのつながり
•いきがい
•経済的な安定
•身体の健康
•心の安定
•人間関係の良好さ
•自己実現
•地域への愛着
•多様性への理解・共感
この各要素をもとに、政策と市民の日常的営みの相乗効果を見える化し、評価する。この評価数値をもとに共創的ウェルビーイングの実現に向かう議論が出来ると考えられています。

●地域幸福度指標と本モデルの違い

質疑応答の内容(抜粋)

●Q.「ウェルビーイング」の定義とは
→A.社会通念的には様々な解釈があるが、「①身体的 ②精神的 ③社会的(つながり)の3つの観点でそれぞれが良い状態にあること」とされている。ただ、文脈によっては「幸福感や満足感、しあわせ」とも捉えられている事がある。

●Q.しあわせバイタルは、市の政策(事業)を最終的に評価するものであり、その結果から今後必要とされる政策(事業)を検討する材料にもなるという認識で良いか
→A.記載の通り。市民のどのような何に役立っているのか、どういう事が具体的に変化したのかを考察していくための材料になってくると想定される。

●Q.実際に市民に調査をしたアンケートでは、市が実施した政策がどう影響されたのか確認できるような内容なのか
→A.その理解で間違いない。ただ、この次に地方自治体として行うべきは、ロジックモデル(インプット~アウトカム)などを用いて、より具体的な事業を打ち出していくことが求められる。

●Q.しあわせバイタルを用いて出された評価から、国や県が行った政策ではなく、磐田市の政策がもたらす影響を確認する事が出来るのか
→A.市がやっている政策だけを完全に抜き出す事は出来ないが、貢献度を考えたときに100が真の幸福とするならば、その中で30~40%程度を説明できるモデルになっている。そのほかの多くの部分は、市民の営みや価値観など複数の要因が折り重なっていると考えられる領域である。

●Q.アンケート結果がどういう形でしあわせバイタルの各要素に組み分けられるのか
→A.それぞれの政策を分析し、各要素に対し影響力の強さを表す数値を出し、その数値の大きさによって各要素の組み分けを行う。
静岡産業大学では、今後も岩本武範教授のもとウェルビーイングについて検討を重ね、本取組の研究を継続していきます。また、2026年2月5日には本取組の公開シンポジウムを開催する予定です。
参加申し込みフォーム(QRコード)を添付いたしましたので、ご興味のある方はお申込みいただきぜひご参加ください。

本学は、地域とともに歩む大学として、磐田市をはじめとする自治体・企業・国との連携を一層深め、ウェルビーイング社会の実現に貢献してまいります。

2026年2月5日シンポジウム申込フォーム