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経済波及効果分析の実践・活用に向けて-県内公務員向け統計セミナーにて講演-


静岡産業大学経営学部・牧野好洋教授は6月20日(金)、静岡県統計活用課が主催する「令和7年度地方統計職員業務研修」において、静岡県を対象とする経済波及効果分析の実践・活用について講演しました。

牧野教授の専門分野は「計量経済学・経済統計」(統計を用いた経済分析)です。一国経済・地域経済を簡単な経済モデルに表すとともに、統計で捉え、イベントや施設がもたらす経済波及効果などを計測します。今回の研修では、静岡県や県内各市町の統計関連部局の皆さまに、経済波及効果の分析方法を紹介しました。

牧野教授は先日、静岡県が公表する「経済波及効果分析ソフト」を基礎に、応用版を開発しました。それを用いると、経済波及効果を産業別から市町・地域別に、また事業所の規模別に変換することができます。今回の講演では、経済波及効果分析の考え方や留意点を説明した後、同ソフトにより分析を実演しました。

その結果、自動車部品の生産は県西部地域に(図1)、食料品の生産は県中部地域に、医薬品の生産は県東部地域により大きな経済波及効果をもたらすこと、食料品の生産は他産業よりも、規模が小さな事業所に経済波及効果をもたらすこと(図2)などを明らかにしました。

図1 自動車部品の生産の経済波及効果(県内地域別)

(注)静岡県における自動車部品・同附属品の生産10億円あたりの生産誘発額を示す。
(出所)静岡県・牧野好洋(2025)「経済波及効果分析ソフト(応用版)」に基づく。

図2 食料品の生産の経済波及効果(事業所規模別)

(注)静岡県における食料品の生産10億円あたりの生産誘発額を示す。
(出所)静岡県・牧野好洋(2025)「経済波及効果分析ソフト(応用版)」に基づく。

静岡産業大学はこのように産業や地域の特性を反映した経済分析、他者とは少し異なるユニークな統計分析を得意とします。皆さんも本学で「地元」を学習、研究してみませんか。