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ピアノ産業について学びました! ~河合楽器製作所の見学体験を通して~


6月11日、本学所属の入江教授の授業(音楽)で、株式会社河合楽器製作所の竜洋工場を訪問し、ピアノの製造工程を見て学ぶ体験会を実施しました。今回の体験会では、6月4日に講演していただいた同製作所のピアノコーディネーター三浦様に工場内を案内していただきました。世界や日本、および静岡のピアノ産業について学んだことで株式会社河合楽器製作所のピアノがどのような工程で製作されるのか自分の肌で感じられる体験会となりました。

今回の見学では、組立工場と呼ばれる場所を訪問しました。ピアノの素材となる木材や鉄を加工し、組み立て、出荷までの工程を担う工場です。東京ドーム3.5個分の広さの中に、様々なセクションに分かれ作業が行われており、それぞれ作業者が作業を行っています。

見学をした工場では、グランドピアノの1日の平均生産台数が30台程度であり、受注など予約を受けてからの生産に加え、発注後すぐの出荷を目的とした在庫を一定数保つための生産も行われている旨説明を受けました。
工場内では、木材の加工、調整、塗装、組立、研磨などの木材作業から順番に、ピアノ内部のフレーム部分となる鉄の加工作業や、張弦作業、調律作業などが行われていました。
フレームは、弦の張力に関わってくる非常に重要な役割を担っており、20トン近い力が加わっています。また、下律作業という工程では、鍵盤が設置されていない張られた弦を弾いてチューニングしています。こうしてピアノのベース部分が出来上がり、そこに取り付ける鍵盤は専門の従業員がすべて手作業で木材を削り、取り付けています。取り付けられた鍵盤は試弾機と呼ばれる機械を通して少しずつKAWAIの音色に近づけていきます。この試弾機による作業が終わると、調律技能士が防音の部屋で20分ほどかけて調律作業を行い、出荷に向けて研磨作業に移り、出荷準備がされていきます。

また、併設されたカワイピアノ歴史資料室では、ピアノの前身のクラヴィコードやチェンバロから現代のグランドピアノ、樹脂で透明に仕上げられたクリスタルピアノなどが展示されており、ピアノの歴史とカワイピアノの歩みを体感出来ました。

ピアノの製造工程では、人の手で作業している部分が非常に多く見られ、細部までこだわりを持ってピアノを造られていることがよくわかりました。参加した学生達からもピアノの中身を見たのは初めてだったという意見や、下律作業を人の手でやっているのは驚いたといった感想を聞く事が出来ました。

日々の業務が忙しいのにも関わらず、本学学生に向けて株式会社河合楽器製作所のピアノ工場を見学、作業工程の説明をしてくださった、三浦様をはじめ株式会社河合楽器製作所の皆さまにはこの場を借りて御礼を申し上げます。