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【開催レポート】 藤枝市管理職研修にて岩本武範教授が登壇 ウェルビーイング経営の鍵を握る「心の余裕」のデザインと男女共同参画の推進を提言


2026年1月29日、藤枝市が主催する管理職研修において、本学経営学部の岩本武範教授が講師を務めました。「心の余裕が私たちを強くする 〜男女共同参画と幸せの話〜」と題された本講演では、自治体や組織におけるウェルビーイング経営の具体的な仕組み作りについて、理論と実践の両面から解説が行われました。

■ ウェルビーイングがもたらす組織の競争力

岩本教授は、幸福度の高い従業員は生産性が31%、売上が37%高く、創造性は3倍に達するという学術データを提示。従業員のウェルビーイング向上は、単なる福利厚生ではなく、組織の価値や収益性に直結する不可欠な経営戦略であることを強調しました。

■ 独自理論「ARMモデル」と「FEATサイクル」の実践

本講演の核心として提示されたのが、岩本教授が提唱する「ARMモデル(ASOBI-Resilience Mediation Model)」です。 組織が能力を発揮するためのエネルギーを、建築構造における「あそび」になぞらえて「ASOBI(心の余裕)」と定義されたことは、すでに藤枝市の職員の中にも知っている方がいるなど浸透しています。

さらに、基盤となる心の余裕を生成する「FEATサイクル」を組織内に実装することを提言し、その内容を紹介しました。

• Fail:失敗を許容し、そこから学びを得る文化の醸成。
• Excite:前向きな再解釈により、組織の活力を引き出す。
• Analyze:背景や文脈を深く理解し、適切な意思決定を行う。
• Try:意図的な行動を積み重ね、持続的な成長を促す。

Failは失敗を意味する用語で用いられますが、「仮説と現実のズレを感知した状態」ともいえ、その記録(ジャーナリング)が、人も組織も強くする出発点であると説きました。

この理論は、Kolb(1984)の経験学習モデルに基盤をもつもので、それを組織や個人の成長、さらにウェルビーイング経路の視点から示した新たなモデルとして注目が集まっております。

■ 男女共同参画を阻む「アンコンシャス・バイアス」の克服

また、男女共同参画の推進を阻害する要因として「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を挙げました。 自身の視点(枠内)に固執せず、他者の視点を取り入れる「枠外思考」を身につけることが、誤解や分断を防ぎ、多様な人材が活躍できる幸福度の高い組織へと導く鍵であると説きました。

一方、女性活躍、女性管理職比率などの点から、その多少が議論されることへの警鐘を鳴らしました。女性管理職の比率を高めることだけが目的となり、逆に無理を強いられ、過度なストレスにさらさるケースも想定しておくべきという指摘です。
それよりも、女性も男性も、活躍できる場やフィールドの創造を議論していくことの方が、安心して働ける職場につながるだろうと説きました。

■ 未来に向けた「環境の設計」

講演の最後には、「いま行動するかどうかで未来は決まる」という言葉と共に、管理職自らが意図的に「FEAT」を実現できる環境を設計することの重要性を伝え、締めくくられました。

心の余裕を意図的につくる仕組みの解説

本学は今後も、データと理論に基づいた知見を提供し、地域社会の課題解決とウェルビーイングの実現に寄与してまいります。