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会社と仕事と私と心理学  -仕事を通した自分との関わり-


 教授 太田さつき(産業・組織心理学、社会心理学)
 
 先日、会社員時代の同窓会に参加しました。元同僚や元上司とのひと時はとても楽しく、会社は私にとって楽しかったのだと実感しました。当時は楽しいとあまり感じていませんでしたが、今その時のことを心地よく思い出せるのは楽しかったからでしょう。もちろん辛いこと嫌なことも多々あったはずです。でも、今思えば会社での仕事を通して自分の力を知ったり、興味の幅が広がったり、新たな自分を発見できたりしたので、会社や仕事との出会いにはとても感謝しています。

 仕事を通して自分の力を知る
 力といっても、大した力ではありません。学生時代は自分に自信がなかったので、言われたことをやるだけで精一杯くらいと考えていたのが、実際にやってみると「あれっ?案外できるかも。」と思えたぐらいのものです。学生時代は出来なくても「出来ません」で何とかなりましたが、会社に入るとそうはいきません。多少難しくても背伸びをしてまで頑張るので、やれば出来ることを知ることができたのかもしれません。自分の力を伸ばしたり、発揮できたりすることは、出来ないという自信のなさより気分がいいものです。

 仕事を通して興味が広がる
 知ると案外面白いということもあります。配属先や担当の職務は希望通りとはいきませんが、だからこそ全く興味のなかった部署や職務を知るきっかけになりました。知ってみると案外面白いと分かったり、好きになったりすることもあります。どうしても好きになれないこともあるので、興味が広がるとともに興味の範囲が明確になると言い換えた方が正確でしょう。

 仕事を通して新たな自分を知る
 自分の力を知ったり、興味が広がったりしたことも新たな自分の発見といえますが、その他にも仕事を通して意外な自分に気づくこともありました。どのように仕事とかかわり、どのように生活することが心地よいかもはっきりしてきたように思います。会社を辞めて今の仕事に就くことになったのはそれが根底にあったのかもしれません。自分でも忘れていた辞める時の私の挨拶の内容を、覚えていてくれた人から先日の同窓会で聞いて、そのように思いました。

 そして働く人々の心理学へ
 上記のことを心理学用語で表現すると、仕事を通して「自己効力感」が上がって、「キャリア発達」が促され、「自我同一性」が確立し、「自己実現欲求」を追及しているということになりましょうか。私の研究は「ワーク・コミットメント」という働く人々の仕事への関わりですが、まず自分との関わり方があって、そこに仕事や趣味や周囲の人々との関わり方をどう組み込んでいるかを考えた方がいいかもしれないとぼんやりと考え始めたところです。
 心理学に興味をもった理由は、応用心理学研究センター通信37「私が心理学にはまったわけ」(https://www.ssu.ac.jp/applied-psychology/170120/)に書かせていただきました。この記事と合わせて、仕事をすることと心理学の結びつきが少しでも伝わるといいなと願っています。