グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  応用心理学研究センター >  通信26「スポーツ心理学を学ぶ意義~理想の自分になるために~」

通信26「スポーツ心理学を学ぶ意義~理想の自分になるために~」


経営学部准教授 藤田依久子

「スポーツ」には勝敗がありますが、一流の選手たちは、ただ「勝つ」という結果を追い求めているわけではなく、勝利に至る「道筋」を求めています。つまり、勝利とは、相手を打ち負かすことではなく、自分の経験を通して「勝つための行動パターンや考え方のパターン」を見つけ出すことなのです。

勝利の方程式とは、自分の置かれている位置を正確に把握し、正しく目標を設定し、それに向けて全力を尽くすことです。そうすれば、必ず目標が達成される時が訪れます。
現状を正しく認識すること、適切な目標を掲げること、全力を尽くして行動することには様々な障害が伴い、我々はそれらを乗り越えなければなりません。そのためには、「学習理論」「認知理論」「モチベーションの理論」「コミュニケーションの理論」「リーダーシップ理論」その他、心理学の諸理論をマスターすることが大きな手助けになるでしょう。

「健康」は、若い時には、あまり意識することはないかもしれません。また、健康は、なくしてしまってその重要さに初めて気がつく、ということもあるでしょう。健康を支えている大きな因子が、生活習慣です。生活習慣は、一度できあがってしまうと、変化させることは難しくなります。ただし、意識を改革することによって、一度身についた悪習慣でも変えることはできます。自分の置かれている現状を正しく把握し、目標とする健康な状態に向かって努力する、という点に関しては、上記に述べたスポーツの場合とほとんど変わりません。

このように、「スポーツ」にも「健康」にも心理学的な要素がかなり含まれているのです。ここで述べたことは、スポーツや健康といった分野に限らず、人生のさまざまな局面において利用できる能力・スキルと言ってもよいのではないでしょうか。
また、今日のように、多くの人が精神的な病に罹るようなストレスの多い社会では、心身医学や臨床心理学等を学ぶ意義も大きいでしょう。心理学が少しでも人の幸せに結びつくことを願ってやみません。