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通信16「スポーツ心理学を社会に応用するとは!?」


エミネクロス代表スポーツドクター
静岡産業大学 非常勤講師  辻秀一


スポーツは人間と社会の縮図である。
やる気がないと負ける!チームワークが悪いと負ける!

心とパフォーマンスと結果の関係が非常に単純でわかりやすい。それがスポーツだ。したがって、心の存在や価値が明確になりやすい人間の活動の1つだ。しかし、その他の人間の営みも実はすべて同じ構造なのではないか?ただ多くの人がそれに気づいていないだけなのではないか?パフォーマンスの質もスポーツに比べれば曖昧だし、結果が見えることばかりではないからだ。だか、ビジネスも勉強も趣味も、ひいては人生も実はスポーツと同じなのだと気づいてほしい。心がそこにあり、その影響を受けたパフォーマンスが24時間存在し、そして結果が見えたり見えなかったり、重要視されたりされなかったり、問われたり問われなかったりするだけだ。したがって、この共通性がわかれば、心技体といって心を重んじるスポーツや、そこで培われたスポーツ心理学という学問が広くさまざまな分野やさまざまな活動やいろいろな人のQOL(Quality of Life)に役立つということが容易に想像されるはずだ。

わたしはスポーツ心理学の考え方にチクセントミハイ先生が推奨し世界的に広められたフロー理論の考え方をプラスして、独自の辻メソッドというオリジナルな方法であらゆる人たちのパフォーンスの質すなわち時間の質を向上するための心の状態を創り出す脳機能のスキル化トレーニングを専門にしている。すなわち、「揺らがず・とらわれず」という心の状態を自ら創出できるライフスキルという脳機能のトレーニングだ。心の存在と価値を多くの人が日常的に感じながら、さまざまなライフスキルを磨いて生きて行くことが人生の意味でもあろうとわたしは思う。「揺らがず・とらわれず」のフロー状態で生きれば、すべてのパフォーマンスの質は向上することになる。同じ時間をただ過ごすのではなく、充実した素晴らしい時間として生きることができるのだ。そのような時間をカイロスタイムとギリシャ語で呼ぶ。1時間を60分、1日を24時間と過ごしているのは誰でもが同じでこれはクロノスタイムだ。仮に何が起ころうが、何をやっていたとしても、その中でその人その人にとっての最高の時間を過ごし生きることをカイロスタイムというのだ。このような「揺らがず・とらわれず」の心の状態を大切にした生き方を日本で古来から主張し実践してきたのが宮本武蔵だ。五輪書の水の巻の中で「揺らぎとらわれては人は死ぬ」というような文章がある。さて現代版の武蔵がイチロー選手だ。カイロスタイムで生き結果を出し続けている。同時代に生きたことに誇りさえ感じる。また、宮本武蔵の生き方を「バガボンド」というコミックにして日本中にメッセージを与えているのが劇作家、井上雄彦先生だ。わたしの辻メソッドの原点は井上雄彦先生の哲学書ともいえる「スラムダンク」を題材にした応用スポーツ心理学の書籍「スラムダンク勝利学」だ。わたしのライフワークはそこから始まったといっても過言ではない。

今後、応用心理学研究センターでわたしの辻メソッドを教育・研究・実践できることを心から楽しみにしている。