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応用心理学研究センター開設記念公開講座でめざすもの  現代人の必須「応用心理学」-心を感じ、心を伝え、人を動かすことの実践-


「自分の生きている意味はどこにあるのか?」「自分はどのようにして生きていくべきなのか?」これらは、人のアイデンティティにかかわる疑問である。この疑問に対して納得のいく答えはなかなか簡単には見つからないだろう。
自殺者の増加、犯罪の低年齢化、児童虐待、ひきこもり、いじめ、不登校・・・・これらは、最近、我々がマスコミ等を通して良く耳にするようになった言葉である。
これを見ると、大人も子供も人とのかかわり方や、社会の中でどう行動したらよいのか、に悩んでいるように見える。いや、その前に自分自身を理解することが出来ずに悩んでいるのかもしれない。

何かの原因で学校や仕事に行かず、家に引きこもっている人、学校や職場で自分の居場所がないと感じている人、学校や職場でいじめにあって困っている人、自分が何者であるかが分からず、アイデンティティの危機にある人、自分の周りの人とうまくコミュニケーションが取れなくて悩んでいる人、部下や上司と、どのように接していけばよいか悩んでいる中間管理職の人、自分の存在が意味のあるものとは、とても思えなくて自殺を考えたりする人・・・
多くの人が、人との関係がうまく取れなくて立ち尽くしているように見えるのだ。これは、「自分を知らない、他人を知らない、社会を知らない」ことから引き起されているのかもしれないと思う。

ストレス過多社会といわれているこの世の中を、生き生きと自分らしく生きていく為に、我々には「人間を理解する力」が求められている。もちろん、「人間」には他人だけではなく自分も含まれる。また、人間の集まりである社会も理解することが必要だ。「人間を理解すること」「社会を理解すること」は、生きる意味そのものに繋がる。つまり、「自分を知る、他人を知る、社会を知る」ことが「自分がこの社会の中でどう生きていくべきか」「自分が社会の中で生きる意味」に繋がるのである。「自分を知る」と言われても、自分のことなんだから良く知っているよ、と思われる人が多いだろう。人は自分の事を良く知っているように思っているのだが、実際には良く知らないことも多いのだ。
兄弟の多い家庭で育った人が、自分のことを「内気である、内向的だ」と思っていても、客観的に見るとそうではない場合が多い。自分を知るという事は、人間のことを知り、客観的に自分のことを知ることなのだ。
「他人を知る」という事に関しては、「他人を知る」という事にほとんど関心のない人がいる事を感じる。職場の中では、上司が部下を叱らなければならない場面もあるだろう。ところが、うまく部下を叱ることができない上司が多い。人は自分の趣味であるとか、興味のある話題には関心がある。有能な上司はこの事をよく知っている。その為、部下を叱る時には、まずその部下の興味や関心のある話題から入ることがある。

「最近ゴルフ行ってる?」
「はい、先週の日曜日に行きました」
「どうも私は悪い癖が付いているようで右に曲がっちゃうんだよね。今度教えてくれない?」
「いいですよ」
「ところで、実はこの件なんだけど・・・」

ベテランの上司は、いきなり叱るのではなく、例えば、こういった具合に、話しかけるだろう。日本はもう発展途上国ではないので、多くの人々の労働の動機付けは、お金だけではない。従って、「仕事なんだから(給料をもらっているんだから)これをやるのは当たり前だろう」といった言い方では、部下はついて来ないだろう。部下一人一人の労働の動機付けを知らなければ、部下との間に適切な人間関係は築けないし、適切なコミュニケーションも取れないだろう。

日本の企業が、外国でビジネスをすることが多くなってきた。そうした時に、その地域の「社会」を知らなければ、ビジネスなど出来ないだろう。外国との比較によって、自分たちの社会がどんな社会なのか、が見えてくるかもしれない。「知ること」は、多くのことを解決してくれる。「人の生きる意味」といった難しい問題も「知ること」によって解決の糸口が見つかることがあるかもしれない。