静岡産業大学総合研究所 研究員紹介 2026

20 インクルージョンの定義は、学問領域で多少異なります。社会学では孤立しやすい人たちへの機会均 等を目指す包摂を意味し、教育学では障害のある子どもなど、多様なニーズに対する教育を示してい ます。一方、経営学では「マネジメント」の概念が加わり、多様な人材を包摂しながら組織のパフォーマ ンスにつなげる必要があります。このような違いはあっても、全ての人の「違い」や「その人らしさ」が尊 重され、共に「育つ・学ぶ・働く」状態の実現を目指しています。 具体的には、①「働く」への取組みとして、企業等における発達障害者の雇用(就労)について研究して います。その傍ら、②「育つ」では、保育者の発達支援力を高めるための「磐田市発達支援ほっと研修 会」をこども未来課と協働で企画・実践しています。③「学ぶ」への関与は少ないですが、磐田市就学 支援委員会において、子どもの発達段階や実態を踏まえた最適な学びの場を委員の先生方と模索し ています。 日本は島国で、しかも多民族国家ではないので、同じ言葉、似たような文化や生活習慣で暮らしている ため、「多様性」という文化が根付きにくい特徴があります。インクルーシブな社会は、その実現を目指し てみんなで試行錯誤を重ねながらアップデートしていく長い道のりの現在進行形のプロジェクトです。 【過去・現在の連携実績(抜粋)】 ・静岡県教育委員会 いじめ問題調査専門部会委員 ・磐田市教育委員会 磐田市共育連携協議会委員 ・磐田市こども未来課 磐田市発達支援ほっと研修会(通年) ・特定非営利活動法人くらしえん・しごとえん理事/ 職場適応援助者養成研修講師 ・(一財)PBEE研究・研修センター 事業評価研究チーム ・㈱東海道シグマ「受講生の特性に対応した教育訓練手法の構築・普及促進事業」 川 かわばた 端 奈 な つ こ 津子 KAWABATA Natsuko 連携可能内容 ・就学前の発達支援(保護者支援を含む)に係る現職研修の講師(オンライン可)や共同研究・発達障害者の 雇用(就労)支援に係る連携や共同研究 ■職位 教授 ■学位 博士(社会福祉学) 東洋大学 ■専門分野 障害児者福祉 発達障害児・者支援 就労支援(障害者雇用) ■所属学会 日本社会福祉学会 日本発達障害学会 日本職業リハビリテー ション学会 日本保育学会 ほか 違いを力に未来を拓け! 誰もが主役のインクルーシブ社会へ 北 きたもと 本 遼 りょうた 太 KITAMOTO Ryota 連携可能内容 放課後児童クラブにて、「保護者対応」や「修復的実践」に関する職員研修を実施したことがあります。その他 に、フィールドワークや質的データ分析法を教えることはできます。 ■職位 講師 ■学位 博士(心理学) 筑波大学 ■専門分野 心理学 ■所属学会 日本発達心理学会 日本質的心理学会 研究面では、現代社会における社会的排除の問題に対応するために必要とされるインクルーシブな 福祉コミュニティがどのように形成されるのかを、理論的・実践的に探究しております。特に、人間の発 達を個人の内的変化だけで捉えるのではなく、それが営まれる具体的な文脈や環境に注目して理解 する「状況論的アプローチ」を基盤としています。この視点から、人の感情や他者との関係、さらには制 度や物理的なモノといった多様な要素の「配置(アレンジメント)」の再編成過程に注目しながら、人間 の発達を分析しています。これにより、コミュニティが生成される動的なプロセスと、それに連動して生 じる人間発達の様相を明らかにすることを目指しています。 教育面では、心理学ならびに教育・保育関連科目を担当し、学生の主体的な学びを促すための教育 実践に力を入れています。ディスカッションやグループワークを重視した双方向型授業を基本としつ つ、映像教材や遠隔技術も積極的に活用することで、多様な学習機会の創出に努めております。単に 知識を伝達するだけでなく、学生一人ひとりの創造性を涵養し、学生同士が学び合う豊かなコミュニ ティ作りを支援することに注力しています。 これらの研究・教育活動を社会に広く還元するため、任意団体「荒川出版会」での活動も展開してい ます。心理学の知見を専門家だけに閉じることなく、心理学批評誌『Re:mind』の編集や、一般の方も 参加可能なイベントの企画・実施を通じて、心に関心を持つ多様な人々が自由に交流し、新たな知を 共創するような、開かれたコミュニティの可能性を探る実践を続けています。 状況論的アプローチに基づく発達過程の質的記述及び 介入研究 School of Management School of Management 経営学部 経営学部

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=