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本気な人間に"大化け"する


准教授 窪田 辰政(健康管理学、健康運動心理学)

 本学では「大化け(オバケスイッチ)教育」を標榜しています。大化けするということは“本気な人間”になるということですが、このためには三つの鍵があると私は考えています。それは、自信を持つこと、真摯に取り組むこと、継続することです。教員はこれら三つの鍵を学生が自分自身の力で手に入れられるようにサポートします。

 私の授業では、まず安全な空間づくりを呼び掛けることから始まります。どんな学生でも失敗を恐れずに、積極的に討論や意見発表に参加できる空間を作るのです。どの学生も、必ず他の学生や教師にもない、それぞれの人生で得た知識や体験を持っています。その価値に気づくためには、安全な空間が重要です。例えば、ブレインストーミングのような自由に自己表現できる場を設定し、自由に自己表現しあうことで、個々の学びの持つ意味を広げることができると考えます。安全な空間内で、少しずつでも成功体験を積み重ねて仲間と共有していくうちに、自己効力感を得ることができます。例え、失敗をしても人間関係の中でその挫折感を取り除くことによって、成長の糧とすることができます。つまり、成功も失敗も安全な空間があることによって自信に繋げられるのです。さらに、自分の学びが他者の役に立つような経験を育む場を作ることも重要です。特にスポーツ・経営や教職課程といった、人と関わる職業を選択することの多い本学の学生にとって、自己や他者を成長させる経験は社会に出た後にも大きな力となります。

 安全な空間の中で学ぶことへの自信を育んだ学生は、好きなことを学んでいく中で、さらに自信を得ることで自己価値観を高め、学びへの姿勢を変化させます。私のゼミの最終目標は4年次に個別のテーマで卒業論文を執筆することですが、卒業論文のみならず、学生の意欲・関心、個々のカラー、やる気に応じて提供された、飛躍の機会に挑戦するようになります。

 最終段階としては、不得手な座学にも挑戦し、教師の指示を待つだけという状況から一歩進み、自ら主体的に学び始めることを目標としています。学びの主体はあくまでも学生であるため、教員は教えることよりも学びが継続できるような環境の設定に努めます。このことで、学びのスイッチを押すことができます。社会の求める全てのことに、主体的に本気で取り組める人間へと成長し、大化けすることが出来るのです。

 安全な空間づくりをスタートラインとして、学生の主体的な学びをゴールとする。言葉で言うのは容易ですが、実践の過程には様々な困難があります。しかし、模索しながら着実に自己効力感を積み重ねることこそが、多くの学生の成長にとって最も基礎的なものであると強く思います。また、ストレスマネジメントや身体活動による心身健康への影響といった私自身の研究テーマを活かし、汎用性のある理論を開拓していこうと考えています。我々教員に求められるのは単なる教育方法の確立ではなく、学生本人による学習方法の確立を促すことです。学生が本気な人間に大化けするために、より充実したサポートを可能にすることを目指して、私は学生と接していきたいと思います。