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時差と経営学部の授業科目


教授 山崎克雄(国際経営、経営戦略)

 私は専門の国際経営学の研究で、毎年数回、海外出張をする。今年は既に、台湾と米国に出向いた。日本と台湾とは時差が1時間なのでほとんど問題ないが、米国東海岸(本土には四つの標準時間がある)とは13時間も時差があり、「時差ぼけ」が生じ悩まされる。英語ではjet lagといい、飛行機がジェット機時代を迎えた1969年頃から使用されるようになった。時差ぼけを完全防止するのは困難であるが、スポーツ選手が採用しているのは、現地到着後すぐに屋外で太陽の光を浴び、それからトレーニングを始める方法である。東京マラソンに出場する海外の招待選手は、ホテルに到着するや否や皇居周走に飛び出す。このほか、1週間前から現地の時間に合わせた生活を日本で実践する手法もあるが、多忙な人にとっては現実的でない。私は3月23日(金)に古河電工の東京本社で柴田新社長と面談、翌週すぐに米国のデトロイト郊外にある同社関連のAFI社の責任者と対談した。自分は旅慣れていると思っていたが、その時はあたかも、東京郊外の事務所を訪問しているかのような錯覚を起した。両日の写真を添付する。

 時差を活用したビジネスもインターネット取引の時代を迎え活発である。地球規模でビジネスが展開されるグローバル社会では当然のことであると言えよう。為替相場は金融機関、株式相場の証券会社、商品相場では大手・総合商社が関連している企業群である。5月の為替相場を例にとり、日本時間を基準にすると午前6時にニュージランドのウェリントン市場が開く。東京が9時、香港とシンガポールが10時、バーレーンやモスクワが午後2時、フランクフルトが4時、ロンドンが5時、最後にニューヨーク市場が午後10時より開始され、午前7時前に終了する。すなわち24時間、世界のどこかで為替取引がなされている。世界の三大市場はロンドン、ニューヨーク、東京なので、大手銀行は少なくとも三カ国には為替専門家を配置し、直接的あるいは間接的に市場で取引している。理論的には世界のどの地に居ても時差を利用した市場取引が可能であるが、取引税との関係で活動できるのは現地に事務所のある大手・専門企業である。また、個人でもFX(外国為替証拠金取引)が自由にできる。ニューヨーク市場の終値は翌朝の東京市場に影響するので、世界の動きを勉強しながら、取引を楽しむ事ができる。現在、http://www.hikaku.com/fx/には24社が登録されている。但し、為替変動に関しては購買力平価説などの長期的な説明理論があるものの、時差を利用した短期の利益獲得には繋がらないので、念頭に置いておく必要がある。

 時差ぼけは辛いが、前述のように時差を活用したビジネスが成り立つ場合もある。当大学の経営学部には「運動生理学」や「国際金融論」などの科目も設置されており、幅広い知識を修得することができる。