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今社会で起こっている現実を学問的・理論的視点で ~理論的側面と実務的側面の架け橋~


准教授 杉山雅浩 (国際マーケティング、海外市場開発、開発経済)
 企業より教員に転身して7年を超える歳月が過ぎました。企業と経営学は切っても切れない関係にあることは言うまでもありません。だから“経営学部の先生に転身したんだからそんなに困ったことはないでしょうね”と友人や知人から尋ねられることがよくあります。そのようなとき“餅屋は餅屋、苦悩の毎日ですよ・・でも本当に充実して楽しい毎日を過しているよ”と答えることにしています。その理由の第一は、やはり物事にはそれぞれの専門分野(研究者としての視点)があると痛切していること、第二には、理屈(理論)ではその通りだが、現実の社会(企業)では、必ずしもそのように物事は進んでいないのでは・・と疑問を感じること、第三には、こうした問題を、若くて無限の可能性を潜めた学生と共に悩み共に考えることのできる立場にある喜び、などです。

 私は、途上国を中心とした「海外市場開発」「国際マーケティング」「中南米論」などを専門分野とし、また1年次の必須科目として「経営学入門」を担当しています。前者は30年以上に渡る海外のビジネス経験を基礎とした事例研究からスタートし、現在はそれら課題を、学問的・理論的分野との関連で研究を進めています。理論的なことのみに偏った講義は多くの学生は“分からない・難しい・眠くなる”といった感想があります。かといって経験談のみに偏った講義は、継続的・系統的・本質的な意味で限界があります。

 授業内容・授業の進め方、目的、などいろいろ試行錯誤していますが、今、私にできることは、学問・理論的分野を如何に社会(企業)の現実と関連付けて教えることができるかということです。私のなかでは、ある意味で、このようなティーチングメソッドを「理論と実務の架け橋」と定義し実践しています。本学の基本理念に「実学的教育」ということがよく掲げられています。また「大化け教育」という言葉は本学のキャッチフレーズにもなっています。私にとって「理論と実務の架け橋」は「大化け教育」を実践する最大の場であり手法でもあります。

 その成果は特に専門ゼミナールを通した教育現場のなかで実現しています。ゼミナール当初は、自己紹介すら満足に書くことも喋ることも出来なかった学生が、一年を過ぎる頃には、A4で10枚・20枚の課題に挑戦し、堂々と発表する姿には感動すら覚えます。良きゼミ生に囲まれてきたという幸運もありますが、第二の氷河期と言われるこの2年間で、ゼミ生全員が早々に内定を取得できたことは、本人はもとより、私にとっても何物にも代えがたい勇気と喜びを与えてくれました。母数(学生数)が増えれば、それだけ格差も広がることは事実でしょう。でも私の信念は、“どんな学生でも必ず優れた側面を持ち合わせている”ということにあります。人は意外とこうしたことに気づいていません。だから“好きなこと、興味のあること”を早く発見し、そこから自分自身の自己開発を促し人間形成を養ってゆくことが重要な要素と考えます。具体的には「日経ビジネス」と言うと最初は誰もが尻込みします。しかし各週の特集記事の見出しをみせて、なにか興味のあるものはないか、と問いかけると必ずそこには1つ2つの関心事項があります。それを次の授業でゼミ生全員の場で発表する訓練を行っています。この繰り返しが、主体性を持った「自己開発」であり、「理論と実務の架け橋」となっていると感じています。

 「change・改革」という言葉は社会中に溢れています。課題はまだまだ山積しています。しかし静岡産業大学の「change」は確実に進展していることを信じて私のリレーエッセイと致します。