1994年の開学と同時に開設された経営学部は、企業経営に関する「理論的 学習」と産業界との連携による「実践的学習」により、地域社会の発展に貢献 できる次世代のビジネスリーダーを育成しています。歴代の学部長にお集 まりいただき、学部・学科の変遷や思い出、今後に期待することを伺いました。 ■先生方は、どのような経緯で本学に赴任 されたのですか? 丹羽 私は50代の半ばまで銀行エコノミ ストとして、国内外で働いていました。そ の後、九州大学大学院で教授をしていた頃 に複数の大学からオファーがあり、最も熱 心に誘っていただいた本学に決めました。 佐藤 私は大学院修了後、(財)日本シス テム開発研究所勤務を経て、鹿児島の短 期大学で教鞭を執っていました。夫が静岡 大学に転職することになったのを機に退職 して静岡に来たのですが、しばらくは無職 でした。そばで生き生きと仕事をしている 夫を見て羨ましくなり、私もまた働きたい と思っていた矢先に、本学で教員の公募 があったため応募しました。佐野先生は開 学前から関わっていらっしゃったんですよ ね? 佐野 そうなんです。藤枝キャンパスはも ともと静岡学園短期大学だったのですが、 その初代学長に声をかけていただき、経営 情報科の教員として採用されました。その 時すでに将来4年制大学に改組する話を 聞いていまして、短大時代を含めるともう 34年間勤務していることになります。若 手と思っていたのですが、気がついたら先 輩方が順にご退職されて、私がいま経営学 部長を拝命する年齢になっていました。 ■学部長を務めた頃、どんなことに力を注 ぎましたか? 丹羽 私はもともとビジネスマンなので、 教員よりも会社の課長をしている方がラク なんです(笑)。ゼミは講義形式ではなく、 ドアに「新規事業課」というプレートを貼り、 研究室をオフィスに見たて私が課長、ゼミ 生が課員という設定で授業を進めました。 本物のビジネス事例や企業のミッションか ら生まれる課題をPBL(課題解決型学習) で解決に導く「実学教育」を実践することで 即戦力となる人材育成に取り組みました。 30年以上の実務経験を持つ私が本物の仕 事モードで指導するので、学生に実際のビ ジネスの雰囲気、思考、発想、手順を身に つけてもらうことにつながり、就活にも絶 大な効果がありました。 佐藤 丹羽先生の教室は大学というより会 社のような風景でしたからね。 丹羽 ええ。本学は開学当初から地域と深 く連携しているので、企業や行政からマー ケティングやイベントの企画・運営などの 相談が時々持ち込まれます。企業は若い人 の感性や発想を活かしたいのです。これは 勉強ではなく「仕事」なので本来なら教員 が対応するのでしょうが、私は学生にやっ てもらいました。賞金が出る外部のビジネ スコンテストに応募して、グランプリをとっ た学生もいました。 佐藤 報酬をいただく仕事となれば、学生 のモチベーションも変わるでしょう。 丹羽 その通りです。大教室の授業とは本 気度が違います(笑)。また、スポーツを活 かした地域連携事業の「キッズスクール」 では、学生が中心となって幼児体操教室を 開きました。学生が子どもたちに指導する ことで自分自身の学びにもつながり、モチ ベーションがアップします。これこそ本学 が提唱する「大化け教育」だと思います。 丹羽 佐藤先生は私の後、本学初の女性学 部長に就任されましたね。 佐藤 そうです。重責を感じつつも、自分 らしい特色を出して経営学部を盛り上げて ビジネスエリートや研究者など 異色の経歴を持つ人材を招聘 TOPIC 1 経営学部 鼎談 コロナに翻弄された3年間を 教職員が一体となって乗り越えた
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