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静岡県を代表するビジネスリーダーの皆さん、
未来のSHIZUOKAをつくる人に必要な力とは?

公益社団法人 袋井市スポーツ協会
会長

溝口 紀子 氏
Mizoguchi Noriko

1971年、静岡県生まれ。スポーツ社会学者(学術博士)。日本女子体育大学・大学院教授。教育評論家(前静岡県教育委員長)。柔道五段。バルセロナオリンピック(1992)女子柔道52kg級銀メダリスト。史上最年少の16歳でグランドスラムのパリ大会で優勝。フランス柔道ナショナルコーチの経験をもとにスポーツ社会学者として、柔道、スポーツ、教育、ジェンダー問題にも斬り込む。

公益社団法人 袋井市スポーツ協会
より多くの市民が親しみ・楽しむことができる生涯スポーツの充実と強化を目的に設立。市民スポーツ教室運営のほか、袋井市、教育委員会、地元スポーツクラブ、大学等と連携し、国際的トップアスリートの育成事業を拡充中。袋井クラウンメロンマラソン主催。

スポーツを軸にして何ができるか、
何を広げるかを考える。

今、スポーツに対するニーズは大きく変化しています。新型コロナウイルスは、スポーツ関係者にとっては、これまでのスポーツのあり方を一変させる一大事でした。大規模なスポーツイベントが開催できなくなった今、私たちは個人でできるスポーツの提供体制の拡充に努めています。毎年、エコパで開催してきた袋井クラウンメロンマラソンは、「コロナ禍だからやめよう」ではなく、「リモートマラソン」として実施しました。参加者には、地元企業と共同開発したマラソン用フェイスシールドを配布し、スマートフォン用GPSランニングアプリを使って参加していただきました。2000人限定のイベントでしたが、女性の参加者が例年の2倍以上に増え、リモートにしたことで47都道府県からの参加があり、知名度もぐっと上がったと実感しています。

スポーツをする人は、バランスが取れていると思います。スポーツは、一瞬で多くの情報処理を行います。世界的に活躍している方もスポーツ経験のある人が多いと感じます。スポーツで大事なのは体力ですが、体力は健康的な生活を営むうえで基本となるものであり、財産です。また、コミュニケーション能力も卓越しています。試合は、コミュニケーションがないと成り立ちませんからね。オリンピックのメダリストで、引退後に大学教員になり、「スポーツ社会学」を教えているのは日本でおそらく私一人ですが、私の場合は英語とフランス語ができたことで世界がすごく広がりました。スポーツをする人は、スポーツを軸にして、そこから何を広げていくか、スポーツによって何ができるのかを考えていくことが大事です。

今後、日本は2025年問題や2030年問題も抱えています。人口の3分の1が65歳以上の高齢者になるのは目の前の問題。働き手が不足し、社会保障費が膨大に膨れ上がります。これまで以上に外国人労働者に依拠する可能性も高くなるでしょう。そんな時代に、卓越した体力とコミュニケーション能力を持ち、人間的な魅力があふれる若者は金の卵であり、静岡産業大学は地域の将来の担い手を育てる有望な大学といえます。スポーツにはさまざまな可能性があります。学生のうちから地域のボランティアや実務的な経験をたくさん積んでいけるように、私たちも惜しみなくサポートしていきます。