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静岡産業大学は、どのようにSHIZUOKAをつくっているのか?
学生の朝倉萌さんと、
スポーツ科学部長の髙橋和子教授が、
「スポーツ科学が静岡のためにできること」についてクロストークしました。

STUDENT

磐田キャンパス 4年
朝倉 萌さん

身体を動かすことが好きで、小学校からバレーボールを続けている。スポーツに関わる仕事をしたいと本学へ。卒業後は藤枝市役所に就職。

PROFESSOR

スポーツ科学部 学部長
髙橋 和子 教授

専門は、舞踊教育学、体育科教育学など。教育を通じてダンスや体ほぐしの魅力を伝えるとともに、スポーツ審議会委員や日本女子体育連盟会長、日本体育学会副会長など要職を歴任。

スポーツ科学って、どんな科学?

朝倉萌さん

髙橋先生、実は来年度、後輩がスポーツ科学部に進学します!ずっとバスケットボールを続けていて、スポーツを本格的に学びたいみたいです。

髙橋学部長

それは、うれしいですね。これからは同じバスケットボールをするにしても、「どう動いたら効果的か」「どう効果を測るか」についても考えながら、スポーツ文化を体験していってほしいです。

朝倉萌さん

スポーツって文化なんですね。でも、「スポーツ科学」ですよね?

髙橋学部長

経営学だって、自然科学や社会科学の一部なのよ。では、問題です。スポーツ科学は何科学でしょうか?

朝倉萌さん

ええっ?「スポーツを数値化する」から科学ではないんですか。

髙橋学部長

それも一つです。スポーツ科学は、自然科学や人文科学、社会科学などの分野にまたがる総合的な領域なんです。

朝倉萌さん

人について学ぶことでもあるし、科学や化学に関することでもあるし、地域コミュニティみたいな社会的なことも学ぶ、ってことですか。

髙橋学部長

そもそも科学とは、「どうしてそういう風になっているのか」を解明することなんです。からだや健康、動きや遊びや競争など、広い視野からスポーツを科学することを捉えていきましょう。

スポーツに関する学問は、
思っているより幅広い。

朝倉萌さん

スポーツから得られることって、体力やチームワーク力、継続力だけじゃないですものね。スポーツ科学の範疇は広いんですね。

髙橋学部長

そうです。たとえば、スポーツのルールが時代によって変わったり、男性らしさや女性らしさという作られたジェンダー意識があったりすることなど、人やからだを取り巻くすべてがスポーツ科学の範疇なんです。

朝倉萌さん

最近は、eスポーツやチェスなどの対戦ゲームも、スポーツに含まれたりするようになってきましたね。

髙橋学部長

スポーツ科学部だって、スポーツが得意な学生ばかりじゃなくてもいいのよ。スタジアム建設に関わりたい人もいれば、スポーツシューズの開発をしたいから学びたいという人もいると思います。

朝倉萌さん

私はこれまでバレーボールを続けてきたことで、多くの人とつながって、コミュニティが広がったと実感しています。それも、スポーツの持つ力ですよね。

髙橋学部長

おっしゃる通りです。スポーツ庁の「第二期スポーツ基本計画」では、人生を健康でキラキラしたものに変えることとして、スポーツを推奨しています。

朝倉萌さん

そもそも、静岡ってスポーツが強い県ですよね。特に、静岡といえばサッカーというイメージ。

髙橋学部長

スポーツ王国を掲げていますね。静岡県庁では、新しくスポーツ・文化観光部を新設しました。そんな静岡のスポーツ教育の充実と発展を目指して新設したのが、スポーツ科学部なんです。

まちへ出て、人と接して、
アクティブに学ぶ。

朝倉萌さん

昨年は、静岡県の採択事業※として採択された、「ロコモ度測定会」に携わりました。近くにある杏林堂薬局の会場や大学祭で、中高年の筋力や歩行能力が衰えていないかを評価するお手伝いをしたんです。

髙橋学部長

理学療法士でもある中井真吾先生が担当しているプロジェクトね。萌さんは、中井ゼミ生ではなく館ゼミ生でしたよね。

朝倉萌さん

はい。「ロコモ度測定会」は、ゼミを横断した合同プロジェクトであったので、参加しました。館ゼミではGPSの位置情報から情報を読みとったり、赤外線カメラで動作を解析したりして、最新機器を使った研究を進めています。

髙橋学部長

屋内・屋外位置情報測位システムですね。ほかにも、超音波診断装置とか三次元動作解析システムなど、日本でもトップクラスの最新設備が揃っていることも、スポーツ科学部の特徴です。

※(株)杏林堂薬局、杉山整形外科医院、アルケア(株)と共同で実施した「運動器スクリーニングによる自立型ロコモ対策事業」は、令和元年度 静岡県ヘルスケアビジネスモデル構築・実証等事業として採択されました。

公務員として、
地域の健康づくりに携わっていく。

髙橋学部長

卒業研究も、健康づくりに関わるテーマで進めているのですか?

朝倉萌さん

はい。「運動習慣のない人が十分な活動をできる方法」について、中井ゼミで研究しています。活動量計という機械を身体に装着して、一番歩数が多かった日は何をしていたのか調べて卒業論文にまとめています。

髙橋学部長

熱心ですね。そんな努力も認められたんですね。聞きましたよ。就職が決まったんですって?

朝倉萌さん

そうなんです!藤枝市役所に採用が決まりました。どの部署へ配属されるかは、まだわかりませんが、いつかは地域で高齢者向けの健康教室や親子で参加できる体操教室をお手伝いしたいです。

髙橋学部長

内定をもらってホッとしているかと思いますが、いま、ほかに力を入れていることは?

朝倉萌さん

「健康運動実践指導者」の資格取得を目指して、学内の集中講義で学んでいます。筆記だけじゃなく実技の試験もあるので、練習の指導をしてもらっています。卒業までには、秘書検定2級にも合格したいです。

スポーツの価値を
新しく書き換えていこう。

朝倉萌さん

そもそも、私が入学したのは、パソコンの前に座りっぱなしではなく、身体を動かせる実技の授業が多いこの大学なら、楽しく4年間を過ごせそうという、なんとなくの理由でした。

髙橋学部長

最初から、スポーツの意義や価値を考えようという明確な意識を持って入学してくる学生の方が少ないかもしれませんね。

朝倉萌さん

身体を動かすことが好きで、将来スポーツに関わることがしたいという想いがあれば、大丈夫ですよね。

髙橋学部長

スポーツはハブ産業ともいわれていて、産業の数だけスポーツや健康づくりに関わる場がありますから。どこでも専門性を追究して発揮していける分野です。

朝倉萌さん

私の場合は、スポーツに特化して、あれこれアクティブに学んでいるうちに、いつの間にか、やりたいことが見つかっていました。

髙橋学部長

今後は、アスリートも「ただ勝てばよい」という時代ではなくなって、スポーツの枠を超えて社会に貢献することが求められます。スポーツを豊かな人格形成につなげてほしいですね。

朝倉萌さん

スポーツの新しい価値を私たちがつくっていくんですね。

髙橋学部長

萌さん、静岡産業大学で学んだことや体験したことを、ぜひ藤枝市役所や静岡の地域の現場で結実させてくださいね。応援していますよ。

学生の学年やコメントなどは、取材当時のものです。