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通信7「テクニカルスキルとヒューマンスキル」


静岡産業大学講師 藤田依久子

ワッフル美容院には、同期に入った山口さんと高橋さんという二人の美容師がいます。山口さんは、美容師のコンクールにも入賞するほど美容師としては抜群の技術を持っています。彼女が仕事を始めると、周りにいる人達は、しばらく彼女の芸術的な仕事ぶりに目を奪われてしまいます。ただ性格的には、ちょっと冷たい感じで、人を寄せ付けない雰囲気を持っています。
一方、高橋さんは、誰よりも早く美容院に出勤し、毎朝みんなのために掃除をしている働き者です。いつもニコニコしていて皆に好かれています。ところが、美容師としての腕はいまいちで、人より時間がかかってしまいます。
山口さんにも高橋さんにもそれぞれ固定客がついていて、その人達はどうしても山口さんにお願いしたい、高橋さんにお願いしたいと言います。

心理学では山口さんの持っているスキルの事を「テクニカルスキル」、高橋さんの持っているスキルの事を「ヒューマンスキル」といいます。
どの職場や学校にもこの二人によく似た人がいるものです。我々は、テクニカルスキルもヒューマンスキルも、どちらもある程度、身に付けることが必要です。心理学を学ぶ目的のひとつは、ヒューマンスキル、つまり、人間関係に関する技術や知識を身に付けることです。一般的に、上記の二人は仲が悪いことが多いのですが、本当は仲良くして、相手の持っている良い所を吸収するように努めると、職業人としても社会人としても一流になれるでしょう。