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まなびのとびら

英語の「まなび」かたについて -文法学習を巡ってー

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教授 法月 健 (応用言語学、言語テスト・評価論)

巷(ちまた)で「英語がペラペラに話せるようになりたい」という声をよく聞きます。その一方で、「文法を勉強しても役に立たない」という声を聞くこともあります。実際、英語を母国語として使用するいわゆるネイティブ・スピーカーや帰国子女の人たちの多くは、文法構造を明確に意識することができなくても、英語を自在に操ることができます。それでは、英語を外国語とする一般的な日本人学習者も同じように「文法の知識が十分にない状態で、英語をペラペラに話す」ようになれるでしょうか。

 「十分な文法の知識さえあれば、ペラペラに話すことができる」わけでは決してありませんが、私は、一般的な日本人英語学習者にとって、「読む」、「書く」活動ではもちろんのこと、「聴く」、「話す」活動においても、文法知識は不可欠だと考えています。つまり、文法知識が不要だと見なすことは、英語学習を放棄することにほぼ等しいと言えます。

 とは言え、文法知識は一朝一夕で身に付くものではありません。効果的な文法学習には、自分があまり理解できていない文法項目について、わかりやすく具体的に説明されている文法書を利用することをお勧めします。文法が全般的に理解できていない場合は、文構造の核となる名詞と動詞の活用を中心に勉強を進めていくことが良いかもしれません。

 以下、動詞の活用と役割について、その主な特徴(現在形、進行形(現在分詞)、受動態・完了形(過去分詞)、動詞の原形(to +…/命令形/助動詞+…)を、 ‘speak’ 「話す」を例に簡潔に説明します。

 ①現在形 (現在の習慣、状態)

She speaks English at home. (彼女は家で英語を話す)

「(…を)話す」ことを「習慣」としている。(現在形)

 

②進行形 (進行)

Excuse me, what language are you speaking? (すみません、いま何語を話していらっしゃいますか。)

「ちょうど今」「話し」が「進行」している (be動詞+進行形(現在分詞))

 

③受動態 (…される) (過去分詞)

English is spoken in many countries. (英語は多くの国で話されている)

「話される」à 「話す」+「される」(be動詞+動詞受動態(過去分詞))

= People in many countries speak English. (多くの国の人たちが(習慣として)英語を話す)

 

 ④完了形 (経験・完了・継続) (過去分詞)

Have you ever spoken to his sister? (彼の妹と話しをしたことがありますか)

「(…と)話し」をした「経験」がある (have (/ has) +動詞完了形(過去分詞))

I have already spoken to John and explained it to him. (John にはすでに話しをしていて、そのことについて説明済みです)

「話し」が「完了」した

She has spoken to me for three hours. (彼女は私に3時間話し続けている)

「話し」が「継続」している

 

 ⑤… to + 動詞の原形

I’m going to speak to Ted first.  (最初にTedに話すつもりだ)

「話す」+「(つもり)意図/((ことになっている)予定」 (be動詞+going to +動詞の原形)

Ted has to speak to you first.  (Tedは最初にあなたに話さなければならない)

  「話す」+「義務・必要」  (have (/ has) to +動詞の原形)

 

 ⑥命令形 (動詞の原形)

Speak slowly.  (ゆっくりと話しなさい)

  「話す」+「命令」 (動詞の原形)

 

 ⑦助動詞+動詞の原形(未来・能力・可能性・義務・許可等)

I will speak to Ted first. (最初にTedに話すつもりだ)

She can speak Chinese well. (彼女は上手に中国が話せる)

 文法を身に付けるには単語の発音、綴り、語法に関連する知識も当然ながら必要になります。たとえば、同じ「話す」でも ‘talk’の過去形、過去分詞はともに、‘talked’ ですが、上記の通り ‘speak’ の過去形は ‘spoke’、過去分詞は ‘spoken’ と不規則に変化します。また ‘speak’ は ‘speak English’ のように「言語」を「話す」意味で使うことができますが、‘talk English’ は(時々インターネットでは目にしますが…) 決して標準的な英語とは言えないので、私たち外国人英語学習者が使用することは避けるべきです。一方、「読む」の ‘read’ は、原形、過去形、過去分詞はいずれも ‘read’ と綴りますが、原形の発音は ‘reed’ 「葦」と同じ、過去形、過去分詞形の発音は ‘red’ 「赤」と同じです。

 正しい英語を身に付けるには、音声・文字言語の両面からたくさんの英語に触れる必要があります。インターネットの辞書や学習サイトを活用したり、英語を使用する人と交流したり、語学研修や旅行も効果的な学習法と言えるでしょう。「話すためには文法が必要ない」、「読むためには単語の発音や綴りは覚えなくてもよい」といった偏った英語学習感に陥ることなく、「読む」、「書く」、「聴く」、「話す」をバランスよく、根気よく「まなんで」いきましょう。