学部紹介

静岡産業大学トップ > 学部紹介 > 情報学部 > 広報・講座 > まなびのとびら > 言葉の理解を意識して、情報の活かし方を学ぶ

まなびのとびら

言葉の理解を意識して、情報の活かし方を学ぶ

    Yahoo!ブックマークに登録   Check     

教授 川口順功(ソフトウェア科学)

スライド1 小.jpg

「IoT」「ビッグデータ」「O2O」「AI」「AR」「クラウド」「スマート〇〇」など、社会には新しい言葉がどんどん出てきます。私のゼミでは、「情報の活かし方」をメインテーマに、まずはこのような言葉の理解を意識するような活動を行っています。

毎回、各ゼミ生が2つの言葉の意味を調べて「SSU百語ノート」にまとめ、その内容を発表します。その発表した内容について、他のゼミ生が全員質問するようにしています。質問によっては、その言葉をより深く理解するために、さらに調べ直したりします。このように言葉の理解を意識することが、これからの「情報の活かし方」を学ぶことにつながると考えています。 

私が「言葉の理解を意識する学び」を意識するようになったのは、NHKの感覚英語という講座で「言葉のコア・イメージ」という考え方を知ってからです。「言葉のコア・イメージ」は、言葉のもつ本質的な意味のことです。私は、このコア・イメージをアルゴリズム(問題解決の手順)など、さまざまなことの理解に応用しています。

言葉を理解するためのコア・イメージの例を2つ紹介します。

「オンライン(online)」と「オンデマンド(on demand)」で使われているオン(on)の意味は微妙に違うのですが、これを意識することはありません。そもそも「on」のコア・イメージが何であるか知っている人は意外と少ないようです。「~の上に」と思っている人が多いのですが、onのコア・イメージは「接触している」です。この反対の「接触していない」がoffですので、コア・イメージで考えると「online」と「offline」の意味がよくわかるはずです。言葉には、物理的な空間から心理(精神)的な空間へのずらしがあります(逆もあります)。onでは、「あるモノとあるモノが接触する → つながる → 連続」とずらしがあり、「オンデマンド(on demand)」は「要求と同時に(連続して)」という意味になります。また、put(何かをどこかに置く)とonをセットにして「put  on」とすると、「何かを接触の状態にする」という意味になります。ここから「服を着る」「靴を履く」「メガネをかける」などに使われるのです。 

もう一つ、プログラミングで使う「関数」という言葉についてです。一次関数(y=x+1)や二次関数(y=x2+1)という言葉はあるのですが、円の関数(x2+ y2=1:円の方程式と呼ぶ)という言葉はありません。それは、一次関数や二次関数では、一つのxの値に対して一つのyの値が決まり、円の方程式では一つのxの値に対してyの値が一つに決まらない(普通は2つ)からです。関数のコア・イメージは、「一つ(または複数個)の要素(x)に対して一つの要素(y)が決まる式」ということになります。もっと簡単に言いますと、「~関数」という言葉を見たとき、「何と何が対応するのか」と考えればいいのです。三角関数の中にサイン関数(y = sin x)がありますが、xとyがそれぞれ何であるか意識する人はほとんどいません。xは円弧の長さで、yはそれに対応する弦の長さです。xは、円弧に対応する中心角を代用していますが、本来は円弧の長さです。プログラミングの関数では、原則として一つの結果の値を返し、関数の定義には返却する値の型(ない場合はvoid)を定義することになっているのも、関数のコア・イメージを考えるとうなずけるはずです。

スライド2 小.jpg        スライド3 小.jpg

言葉の理解にはレベルがあります。なんとなく知っているレベルから、自信をもって使えるレベルまであります。私のゼミでは、「言葉の理解を意識する」ことで、一つでも自信をもって使える言葉を増やし、「情報の活かし方」を学んでいきたいと考えています。